2019(平成31・令和元)年の駅弁に関するニュースを、ここに記録します。
関西の京阪電車と南海電車の駅売店「アンスリー」のうち、京都府京都市の三条駅と出町柳駅の店舗で取り扱っていた、かつて京都駅で駅弁を販売した萩の家の幕の内弁当「御料理折詰」(540円)の販売が、2019(令和元)年12月29日(日)限りで終了した。
(参考:ツイッター上の収穫報告など)
JR東日本の管内の駅や列車内で弁当を販売する日本レストランエンタプライズ(NRE)は、2020(令和2)年4月1日(水)にジェイアール東日本フードビジネスと合併し、JR東日本フーズとなる。いずれもJR東日本の100%子会社で、同社の事業再編によるもの。
(参考:2019年12月11日JR東日本ニュースリリースなど)
宮城県のJR東北本線仙台駅などで駅弁を販売するウェルネス伯養軒が、2019(令和元)年9月限りで青森支店の営業を休止するため、青森駅や新青森駅で売られる8種類の駅弁が終売となる。1968(昭和43)年から鉄道や連絡船の乗客に親しまれた「帆立釜めし」などの駅弁が消える。
(参考:2019年8月31日頃のWEB東奥など)
宮城県のJR東北本線仙台駅などで駅弁を販売するウェルネス伯養軒は、2019(令和元)年9月限りで青森支店の営業を休止する。青森県の青い森鉄道野辺地駅で売られる駅弁「とりめし」(800円)も、9月30日(月)限りで終売となる。1952(昭和27)年の発売で、東北本線の旅客に親しまれた名物の駅弁。2005(平成17)年の伯養軒の清算で野辺地支店が閉店してからは、青森支店で調製していた。なお、ウェルネス伯養軒は仙台駅で、同じような駅弁を販売している。
(参考:2019年8月20日WEB東奥など)
交通新聞社の月刊誌「JR時刻表」は、2019(令和元)年9月20日(金)発売の2019年10月号から、駅弁の情報の掲載をとりやめる。弁当を売る駅の記号を消し、時刻表欄外に記載した駅弁の名前と価格を削除する。編集部はネットの普及で情報を簡単に手に入れられる時代になったことを、その理由に挙げたという。明治時代からその時々の各社が続けてきた、市販の全国版の月刊時刻表での、駅弁を売る駅の情報が、JR時刻表からはなくなる。なお、JTBパブリッシングの月刊誌「JTB時刻表」では引き続き、駅弁の情報が掲載される。
(参考:JR時刻表2019年9月号など)
岐阜県のJR高山本線美濃太田駅で駅弁を販売する向龍館は、2019(令和元)年5月31日(金)限りで美濃太田駅のホーム上の店舗を閉め、駅弁から撤退する。駅弁の売り上げの減少と店主の高齢化によるもの。1955(昭和30)年頃から売られ、「松茸の釜飯」やかつて「舟弁当」が名物で、最後まで立ち売りが守られた美濃太田駅の駅弁が消える。駅弁の最終日は後に6月1日(土)へ変更された。
(参考:2019年5月21日中日新聞など)
兵庫県のJR山陽新幹線新神戸駅などで駅弁を販売する淡路屋は、2019(平成31)年4月10日(水)に新作の駅弁「かに寿し」(1,100円)を発売。同県内のJR山陰本線浜坂駅で駅弁を販売し、1999(平成11)年の撤退後も駅前の店舗で当時の駅弁を販売し、この年の1月にその調製を終了した、かつての浜坂駅の名物駅弁「かに寿し」の、掛紙の絵柄と中身を受け継いだ。新神戸駅や神戸駅や西明石駅などに加え、山陰本線の豊岡駅や城崎温泉駅でも販売。
(参考:2019年4月6日神戸新聞など)
福岡県のJR鹿児島本線博多駅で2018(平成30)年12月頃に、新作の駅弁「かしわめし」(870円)が発売された。第二次大戦前から博多駅で売られ、調製元の廃業により2010(平成12)年12月限りで失われた駅弁「かしわめし」を、当時の調製元社長の要請により、広島県のJR山陽本線広島駅で駅弁を販売する広島駅弁が再現したもの。レシピが残されていないため、当時の掛紙と容器を使い、料理研究家の山際千津枝氏の監修により、福岡県太宰府市北谷に伝わる作り方を再現したという。博多駅と小倉駅の駅弁売り場で販売。
(参考:2019年1月5日毎日新聞など)