2007(平成19)〜2018(平成30)年の駅弁に関するニュースを、ここに記録します。
鹿児島県のJR肥薩線吉松駅で駅弁を販売するたまりは、2018(平成30)年9月にホーム上の売店を閉じ、駅弁の販売を終えた模様。近年は観光列車の発着に合わせて行われていた、幕の内弁当とビールの立ち売りや売店の営業が失われる。
(参考:2018年9月のツイッターなどネット上の状況報告)
2018(平成30)年4月の調製元の事業停止により突然に失われた、愛媛県のJR予讃線松山駅の名物駅弁「醤油めし」の販売が、8月8日(水)に駅のコンビニ「セブンイレブンKiosk松山駅店」で再開される。岡山県のJR山陽本線岡山駅で駅弁を販売する三好野本店がレシピを受け継ぎ、JR四国の子会社である香川県の四国キヨスクとステーションクリエイト東四国が松山駅構内で営業する売店で販売するもの。新たな「醤油めし」(780円)は、掛紙をボール紙のふたに変えた以外、以前の醤油めしと同じものに見える。
(参考:2018年8月4日駅弁資料館談話室など)
奈良県のJR和歌山線吉野口駅で駅弁を販売する柳屋が、2018(平成30)年6月30日(土)限りで吉野口駅での売店の営業を終了した。駅で駅弁を買うことができなくなる。「柿の葉寿し」などの駅弁は引き続き、駅前の調製元などで販売される。
(参考:2018年9月23日駅弁資料館談話室など)
愛媛県のJR予讃線松山駅で駅弁を販売する鈴木弁当店が、2018(平成30)年4月2日(月)に事業を停止した。負債額は約7000万円。駅利用者の減少やコンビニとの競合で売上が減少したという。同社は松山駅で1938(昭和13)年から駅弁を販売、1955(昭和30)年発売の「醤油めし」がよく知られた。松山駅から突然に駅弁が失われた。
(参考:2018年4月6日毎日新聞愛媛など)
岩手県のJR東北本線花巻駅などで販売するまるろくは、2018(平成30)年1月25日(木)までに事業を停止した。自己破産申請の準備に入るという。負債額は約3400万円。同社は花巻駅で昭和時代から駅弁を販売、宮沢賢治や郷土芸能をテーマにした駅弁などを売店に卸していた。花巻駅と新花巻駅では1月16日(火)から、駅弁の入荷がなかったらしい。
(参考:2018年1月26日岩手日日新聞など)
兵庫県のJR山陽本線姫路駅で駅弁を販売するまねき食品は、2017年10月31日に台湾・台北市の台北駅1階コンコースに売店「招來日日便當」(駅弁まねき)を開店する。同社初の海外店舗で、日本の駅弁屋が海外に常設店を構えるのは初めてだという。現地で調製する日本風の弁当14種類と記念駅弁を販売する。
(参考:2017年9〜10月閲覧の新聞各社ニュースサイトなど)
東京駅や上野駅など首都圏の主要駅で駅弁を販売する日本レストランエンタプライズ(NRE)は、2010(平成22)年3月1日(月)から12日(金)まで、上野駅と大宮駅で「さよなら寝台特急北陸記念弁当」と「ありがとう急行能登記念弁当」(各1,000円)を販売。上野駅と金沢駅を結ぶ両列車の、3月13日JRグループダイヤ改正での廃止を記念するもの。4日単位で掛紙に掲載する写真を切り替える。
(参考:2010年3月5日閲覧のNRE公式サイトなど)
茨城県のJR常磐線水戸駅で駅弁を販売する鈴木屋が、2010(平成22)年1月に倒産した模様。1月15日(金)までに水戸駅と勝田駅の駅弁売店が閉店し、百貨店の駅弁催事では水戸駅弁の入荷が止まり、交通新聞社「JR時刻表」では2010年3月号から水戸駅の駅弁を売る駅の記号を抜いている。
(参考:ネット上の各地)
JR北海道が会社発足20周年記念行事の一環として実施する「北海道の新・駅弁コンテスト」の、最後となる冬のグランプリが2007(平成19)年12月10日(月)に、札幌駅立売商会の「新感覚駅弁スイーツ風」に決定した。スイーツ風のビーフ&ライス、シーフーズ&寿司、フルーツ&スパを、スイーツ向けのパッケージに収める。11日(火)に950円で、札幌駅にて発売。
(参考:2007年12月12日交通新聞ニュースなど)
JR九州は2007(平成19)年10月1日(土)から、駅弁キャンペーン「第4回「九州の駅弁」ランキング」を開催する。2004(平成16)年10月の第1回から、4年連続4度目の開催。今回も前回と同じく、九州7県の50駅弁を対象とした人気投票を行う。また、翌2008年1月31日(木)までの投票期間中に、博多駅に特設の駅弁売店「九州駅弁スタジアム」を開設する。
(参考:2007年10月閲覧の九州の駅弁ランキング公式サイトなど)
JR北海道が会社発足20周年記念行事の一環として実施する「北海道の新・駅弁コンテスト」の、秋のグランプリが2007(平成19)年9月に、北海道キヨスクの「洞爺湖サミットチップ寿司」に決定した。洞爺湖産のヒメマス(チップ)を使う握り寿司。11日(火)に680円で、札幌駅にて発売。
(参考:2007年9月14日交通新聞ニュースなど)
山梨県のJR中央本線小淵沢駅などで駅弁を販売する丸政は、2007(平成19)年7月31日(火)に、新作の駅弁「高原野菜と牛焼むすび」(1,100円)を発売。JRグループ各社の発足20周年と、JR小海線でのハイブリッド車両の運行を記念するもの。専用の紙箱には小海線の路線図とハイブリッド車両の走行写真を使い、中身は生野菜サラダ、牛焼肉のおむすび2個、花豆コロッケ、野菜の煮物。
(参考:2007年8月10日交通新聞ニュースなど)
宮城県のJR東北本線仙台駅などで駅弁を販売する、日本レストランエンタプライズ(NRE)仙台営業支店は、2007(平成19)年7月27日(金)に、期間限定の駅弁「みちのく大輪夢花火弁当」(900円)と「仙台牛ぎゅう詰め弁当」(1,000円)を発売。同年2〜4月に募集した第2回「みやぎOrara駅弁コンテスト」の、11日(水)に発表されたグランプリ受賞作と準グランプリ受賞作を商品化したもの。宮城、秋田、山形の各県から74作品の応募があったという。10月31日(水)まで、仙台駅と東北新幹線の車内で販売。
(参考:2007年8月8日仙台経済新聞など)
山形県のJR奥羽本線山形駅で駅弁を販売する森弁当部は、2007(平成19)年7月1日(日)に新作の駅弁「Theやまがた」(1,000円)を発売。同じく米沢駅で駅弁を販売する松川弁当店は、同日に新作の駅弁「米沢のうしめし」(1,000円)を発売。いずれも山形新幹線の開業15周年を記念するもの。
(参考:2007年7月13日交通新聞ニュースなど)
JR東日本の管内の駅や列車内で弁当を販売する日本レストランエンタプライズ(NRE)は、2007(平成19)年7月1日(日)に新作の駅弁「いわきカニピラフ弁当」「いわきウニピラフ弁当」(各1,000円)をいわき駅で発売。NREと、店内でのフラミンゴの飼育とカニピラフで有名な、福島県のシーフードレストラン「メヒコ」との共同開発。地元で深く親しまれるピラフの味が、駅弁で味わえる。
(参考:2007年7月9日交通新聞ニュースなど)
JR北海道が会社発足20周年記念行事の一環として実施する「北海道の新・駅弁コンテスト」の、夏のグランプリが2007(平成19)年6月に、札幌駅立売商会の「涼茶漬け&3色SUSHIプラス1」に決定した。透明な器に海鮮3色寿司と御飯と具を仕込み、だし汁をかけて食べる茶漬け弁当。11日(月)に880円で、札幌駅にて発売。
(参考:2007年6月11日交通新聞ニュースなど)
JR東日本横浜支社は、2007(平成19)年7月11日(水)にJR東海道本線の横浜駅〜国府津駅が開業120周年を迎えることにちなみ、各種のイベントを実施。横浜駅と大船駅では、7月14日(土)〜16日(月祝)と21日(土)〜22日(日)に、ホーム上で駅弁の立ち売りを実施。横浜駅では1950(昭和25)年に登場した、赤い衣装の若い女性によるシウマイの立ち売り「シウマイ娘」と「シウマイ」を再現、大船駅では昔ながらの中年男性による箱を抱えた駅弁の立ち売りで、記念の駅弁「東海道線開業120周年記念弁当」を販売。しかし台風の接近により、14〜16日の立ち売りは中止された。
(参考:2007年6月7日交通新聞ニュースなど)
JR北海道が会社発足20周年記念行事の一環として実施する「北海道の新・駅弁コンテスト」の、春のグランプリが2007(平成19)年4月9日(月)に、札幌駅立売商会の「DMVトリップBOX」に決定した。同月14日(土)から試験的な営業運行が始まる、JR北海道が開発する線路も道路も走れる車両「DMV」(デュアル・モード・ビークル)がテーマのお弁当。翌10日(火)に880円で、札幌駅にて発売。
(参考:2007年4月12日交通新聞ニュースなど)
宮城県気仙沼市の仕出し屋など9業者からなる、気仙沼コンベンションビューロー協議会御弁当サプライヤー委員会は、2007(平成19)年4月14日(土)にJR気仙沼駅で新作の駅弁「纜(ともづな)弁当」(1,000円)を発売。2004(平成16)年に開発し、年間1万個が売れる地元の弁当を、駅のキヨスクでも売るようにしたもの。中身は日の丸御飯に地元のビンチョウマグロ、フカヒレ、サンマなど9品目のおかずとデザート。なお、気仙沼駅での駅弁の販売は1993(平成5)年以来だというが、当時の調製元は21世紀になっても駅弁大会での実演販売を手掛けるほか、その後の駅での収穫報告はある。
(参考:2007年4月12日河北新報など)
JR東日本の管内の駅や列車内で弁当を販売する日本レストランエンタプライズ(NRE)は、「O−bento」を製造するアメリカ・カリフォルニア州の子会社「NRE World Bento、Inc.」を売却したことを発表。アメリカで製造し冷凍で輸入し日本で販売する駅弁「O―bento」各種を、2001(平成13)年7月から販売していた。最盛期の2003(平成15)年には年間200万個を売り、しかし2006(平成18)年度には年間55万個にまで減少したO−bentoの販売は、年内で打ち切られる予定。
(参考:2007年4月12日毎日新聞など)
広島県広島市の弁当店「むさし」は、2007(平成19)年4月20日(金)、新たな駅弁「風の暦弁当」(1,500円)を広島駅で発売。JR西日本が2003(平成15)年10月から継続する観光キャンペーン「DISCOVER WEST」の一環として、2006(平成18)年9月発売のキャンペーンソング「風の暦」を制作し歌う谷村新司氏が監修。竹皮の容器におむすびと、中国地方の観光地をイメージする食材を詰める。広島駅の駅弁屋である広島駅弁当でなく、新幹線改札内のデイリーインや、広島駅内外のむすびむさしで販売。
(参考:2007年4月6日交通新聞ニュースなど)
東京駅や上野駅など首都圏の主要駅で駅弁を販売する日本レストランエンタプライズ(NRE)は、2007(平成19)年3月13日(火)に「甘之内弁当」(680円)を発売。御飯や焼鮭をティラミスで、唐揚をシュークリームで、玉子焼をチーズケーキで、など幕の内駅弁の中身をデザートで表現した。東京、上野、新宿の各駅で3,000個を販売する。
(参考:2007年3月10日時事通信など)
JR東日本と東武鉄道は、新宿駅や池袋駅と東武日光駅や鬼怒川温泉駅を結ぶ特急列車の直通運転開始1周年を記念し、2007(平成19)年3月18日(日)から6月30日(土)まで、「あじわい街道」(1,200円)を東武日光駅と鬼怒川温泉駅で、「日光名物弁当けっこうづくめ」(1,050円)を東武日光駅で、「日光まるごと味の弁当」(1,000円)を下今市駅で、「御弁当鮎美」(1,200円)を鬼怒川温泉駅で、それぞれ販売する。発売初日は各40個ずつの抽選プレゼントも実施。
(参考:2007年3月5日付東武鉄道ニュースリリースなど)
コンビニエンスストア中堅のミニストップと、関東地方でコンビニチェーンを展開するスリーエフは、2007(平成19)年2月27日(火)に新作のカップ麺「大船軒てんぷらそば」と「大船軒てんぷらうどん」(各280円)を発売。神奈川県の東海道本線大船駅などで駅弁を販売する大船軒が、1958(昭和33)年から提供する駅構内うどん・そば屋の味と、関東で最も濃いと言われる生つゆを、愛知県の製麺業者がカップ麺で再現した。神奈川県内の店舗とインターネット上で販売。
(参考:2007年3月4日駅弁資料館談話室など)
2007(平成19)年2月22日(木)発売の、新潮社の月刊誌「小説新潮」3月号が、鉄道特集の中で「2007年版全国傑作駅弁番付」を掲載した。鉄道写真家の櫻井寛氏が相撲番付風のランキングを制作したもので、東西の横綱に釧路駅「たらば寿し」と宮島口駅「あなごめし」を配置、以下26種類の駅弁を掲載した。
(参考:2007年3月4日駅弁資料館談話室など)
JR九州が2006(平成18)年10月から2007(平成19)年1月まで実施した駅弁アンケート「第3回九州の駅弁ランキング」の結果が発表された。総合ランキング1位は3年連続で、熊本県のJR九州新幹線新八代駅「鮎屋三代」。今回は前回の約3倍も集まった一般投票の上位15駅弁について、料理研究家その他の審査員で順位を選定した。
(参考:2007年2月21日閲覧のJR九州公式サイトなど)
岩手県の一戸駅などで駅弁を販売する山口松山堂が、2007(平成19)年4月頃に閉店する模様。後継者難と思われる。戦後に東北本線の名物駅弁として知名度を得たが、列車の高速化や機関区の廃止で販売個数が減少、2002(平成14)年12月東北新幹線の八戸延伸開業と並行在来線の第三セクター化を乗り越えたが、ついに消滅となる。閉店日は後に3月31日(土)へ変更。
(参考:2007年2月15日岩手日報など)
JR北海道は、会社発足20周年記念行事の一環として、「北海道の新・駅弁コンテスト」を実施する。駅弁業者を対象に、道米使用、季節感、地域の特色を条件にレシピを募集、旅雑誌編集長その他の審査委員の審査を経てグランプリを選定、賞品を授与するほか、4月10日の「駅弁の日」に発売を開始するもの。春夏秋冬の4回、これを繰り返す。
(参考:2007年2月14日JR北海道プレスリリースなど)
東京のラジオ局である文化放送は、2007(平成19)年3月3日(土)と4日(日)の2日間、浜松町駅と羽田空港で期間限定の駅弁「文化のかほり」(1,134円)を販売。同局の新社屋への移転をきっかけに、番組内で駅弁漫画原作者や料理専門家などとともに容器や中身も含めて計画を練り、リスナーの声も反映して商品化した。価格は同局の周波数にちなむ。調製はNREで、2日間で400個を販売。
(参考:2007年2月9日駅弁資料館談話室など)
京王百貨店新宿店で2007(平成19)年1月に開催された全国最大級の駅弁大会で、港町の東西ホテルの牛豚対決として実演販売された新作駅弁である、神奈川県のJR東海道本線大船駅「やまゆりポーク2豚弁当」(980円)と、兵庫県のJR山陽新幹線新神戸駅「神戸牛100%ミンチカツ港町レストラン」(1,050円)は、いずれも最初から駅弁大会期間中のみ駅売りを実施する商品だったようだ。
(参考:2007年1月の駅弁資料館談話室)
岐阜県のJR高山本線美濃太田駅で40年以上に渡り名物駅弁として紹介され、容器の品切れにより2006(平成18)年の春限りで販売が終了した「舟弁当」(950円)が、同年末にひっそりと復活。駅弁屋の年末大掃除で容器が出てきたとのこと。この在庫が切れ次第、再度の販売終了となる見込み。
(参考:2007年1月14日駅弁資料館談話室)
長野県のJR信越本線長野駅で駅弁を販売するナカジマ会館は、2007(平成19)年1月31日(水)限りで駅弁を含む食品事業から撤退。食品工場買収などの事業拡大が裏目に出た模様。今後は不動産事業を家業として行う。同社及びJR東日本長野支社が駅弁の後継を探したが、1月末までに現れなかったという。
(参考:2007年1月12日信濃毎日新聞など)
新潟県のJR信越本線長岡駅などで駅弁を販売する池田屋は、2006(平成18)年12月に新作の駅弁「多聞シェイクDE踊る鯛」(1,050円)を発売。調製元では国内の駅弁では初めての、中身をシェイクする弁当とする。酢飯の上にサイコロ状の玉子焼と鯛の焼き付けと赤かぶ漬を盛り付け、未開封状態で容器を振れという指示をスリーブに記す。
(参考:2007年1月1日交通新聞ニュースなど)