東京と日本の中央駅。東海道・山陽・東北・上越・山形・秋田・北陸の各新幹線、東海道・中央・総武・東北の各線、山手線や京浜東北線などの電車が、一日あたり3000本以上行き交い、100万人以上の利用者で終日賑わう。駅弁はJRの子会社が調製するもので100種類以上とも、エキナカの商品を含めて400種類以上とも、デパ地下の弁当を含めて1000種類以上ともいわれる、世界一の駅弁販売駅。1914(大正3)年12月20日開業、東京都千代田区丸の内1丁目。
2023(令和5)年10月から12月までのJRグループの観光キャンペーン「茨城デスティネーションキャンペーン」の開催に合わせ、10月に東京駅などで発売。長方形の容器をはめるスリーブには、個々に考察すると茨城にちなむことが推定できるアイコンをちりばめる。この容器に白飯を詰め、一部を海苔で覆い、煮玉子、茨城県産の大きなハチミツ梅干しと豚肉のメンチカツとハンバーグを載せ、れんこんのきんぴらと大根漬とソースを添える。中身だけ見れば東京の駅弁売店で普通に売っていそうなお弁当なので、最大の興味はアイコンの解読。ノーヒントでどうぞ。
2023(令和5)年9月末に、東京、上野、大宮の各駅で発売。10月からのJR東日本の駅弁キャンペーン「駅弁味の陣2023」にエントリー。東京ステーションホテル総料理長の監修による、「牛肉、豚肉、鶏肉を一度に味わえるまさに肉三昧のお弁当。」だという。長方形のボール紙製容器の内張りも、黒い箱に巻かれた掛紙も、金色でキラキラ。この箱に醤油の味付飯を詰め、豚肉の生姜焼き、和牛の焼肉、鶏肉の味噌焼で覆い、煮物と漬物を添える。
東京駅丸の内駅舎の復原により2012年に東京都心の最高級ホテルへ生まれ変わったホテルを名乗るのに、高級感や上質さを備えないことが不思議に思える、きつく濃い味付けにごちゃごちゃな見栄えでB級グルメ感がパワフルな肉弁当。価格には高級感があるので、モリモリ食べるにはきついかも。量でも身でも味でも、豚肉の存在感が最も大きかったので、豚肉の駅弁のページに収蔵する。調製は東京ステーションホテルでなく、いつもの東京駅弁のJR東日本クロスステーションの、2023年に東京都尾久や神奈川県大船の調製所を吸収統合した埼玉県戸田の工場。
2023(令和5)年3月に、東京駅など各駅で発売。同時に17年半売られた東京駅弁「味噌カツ・ひつまぶし風弁当」が消えており、きっとそれのリニューアルだろう。長方形のプラ容器の右側に、江戸甘味噌使用の三元豚のとんかつを、左側に甘辛仕立ての国産牛のすきやきを詰め、ひじき煮と切り干大根サラダで仕切る。そんな中身は、スリーブの絵柄と文字にぴったり対応している。東京で駅弁として買われる標準的なお肉ものとして、今後10年は活躍することになるのだろう。2023年4月に東京駅弁の日本ばし大増がJR東日本クロスステーションに吸収され、駅弁の調製所も東京都荒川区から埼玉県戸田市へ吸収された。
2019(平成31)年2月に東京駅で発売か。2017(平成29)年の秋に東京駅の駅弁売店「駅弁屋 祭」で発売された「東京しゅうまい」を弁当にしたもの。外箱の絵柄も、東京しゅうまいと揃えられた。中身は茶飯を豚そぼろと玉子そぼろで覆い、東京しゅうまい5個、カレイ西京焼、かまぼこ、玉子焼、刻み梅や大根桜漬などを添えるもの。豚肉や焼売を使う幕の内駅弁タイプの弁当。焼売に引き続き、全体的な食感も柔らかいお弁当だった。価格は2019年の購入時で1,080円、2020年時点で1,100円、2022年6月から1,150円、2023年時点で1,180円。
※2023年11月補訂:値上げを追記2018(平成30)年6月1日に東京、品川、新宿、上野、大宮の各駅で発売。従前の「こだわりのとんかつ弁当」をリニューアル。黒い掛紙を縦に巻いた明るい色の容器に、日の丸御飯、カナダ産三元豚ロース肉のとんかつ、ベーコン入りポテトサラダ、大根漬、からし付とんかつソース、レモン果汁などを詰める。
リニューアル前に比べて外観も中身も、掛紙が白から黒に変わっただけにしか見えないが、トンカツを食べてみると、衣がクリスピーと呼べるほどカリッとして、そのためかカナダ産三元豚ロース肉がまるでヒレカツのようにふわっとして、他の揚げたてや作り置きの惣菜にない常温のうまみが増した印象。価格は2018年の発売時や購入時で1,080円、2022年6月から1,100円。
※2022年6月補訂:値上げを追記愛知万博開催記念の駅弁として、しかしその開会から約3か月遅れた2005(平成17)年7月に発売、9月の閉会後も販売が続き、そのまま東京駅弁の一員となった。掛紙の絵柄は、名古屋城とその金鯱でできているのだろう。中身は2区画あり、一方が白飯に錦糸卵と味噌カツを載せて、キャベツとコーンのサラダに赤カブ漬を添えるもの、他方が茶飯にウナギ蒲焼とマイタケ煮を散らし、錦糸卵と菜の花を添えるもの。これで「味噌カツ・ひつまぶし風」として、「ひとつで二度おいしい」とする。価格は2005年の発売時で1,150円、2014年時点で1,230円、2018年時点で1,250円、2022年6月から1,300円。2023年3月に「江戸甘味噌カツ牛すき弁当」へリニューアル。
※2023年4月補訂:終売を追記2005(平成17)年8月13日に購入した、東京駅弁の掛紙。上記の2022年のものと、絵柄は同じで、背景の模様が異なる。この駅弁の発売時は「愛知万博開催記念」の文字があり、閉会すれば売り止めるだろうと思っていたら、そのまま東京駅の駅弁として売り続けられた。容器と中身はまったく変わらない。
2020(令和2)年5月28日に発売。白飯をキャベツ山椒炒めで覆い、ロースとんかつを4切れ載せ、江戸甘味噌のみそだれをかけて、きんぴらごぼうと味付け玉子を添える。柔らかさときめ細やかさを備えていたトンカツが印象的。江戸甘味噌は愛知県の八丁味噌のような赤黒さと甘辛さを備えていた。半年以内に終売か。
※2023年11月補訂:終売を追記2016(平成28)年12月までに発売か。容器の右側にイベリコ豚のタレかつ重、左側に国産もちぶたの豚重を詰め、玉子焼、マカロニサラダ、青菜煮浸し、ニンジンやこんにゃくやタケノコなどの煮物、赤かぶ漬などを添える。駅弁の名前から新潟のものを想像し、そのリニューアルかと思ったら、東京のNREの駅弁だった。2017(平成29)年限りの販売か。
東北新幹線新青森開業に合わせた、2010(平成22)年12月4日の東京駅構内食品街「グランスタダイニング」内「ニッポンの駅弁」の開業に伴い、同日にオープニングスタッフとして発売か。横浜中華街の広東料理店のブランドを名乗り、調製元は大船駅弁の大船軒で、これでパッケージに駅弁マークが付き、しかし販売箇所は東京駅となる。
黒い長方形の容器に透明なふたをかけ、弁当の名前とお店の写真を印刷したボール紙の枠にはめる。中身は白御飯の上に豚バラ肉煮をきれいに6切れ並べ、高菜炒め、煮玉子、ホウレンソウ炒めを添えるもの。味も内容もとてもシンプルな感じ。2016年までの販売か。
※2017年11月補訂:終売を追記2009(平成21)年4月に従来のとんかつ弁当をリニューアル。長方形の容器の半分に日の丸御飯と野沢菜漬、半分にトンカツ1枚分とポテトサラダとリンゴのシロップ漬にソースとレモン汁とマスタードを詰めるもの。掛紙の絵柄も内容もシンプルで、御飯もトンカツもとても柔らかく、脂の乗りもほどほどで、かつての板やゴムは何だったのかと思うくらい、見た目に加えて味も驚くほどに改善されている。
それ以上に驚いたのは、NREの駅弁なのに掛紙に駅弁マークが付いていること。NRE大増が日本鉄道構内営業中央会に加盟したことで、このマークを使えることになったようだが、日本のマスメディアがすべて集まる首都・東京のお膝元で、このマークを付けた弁当が駅構内にあふれるようになることは、駅弁のPRに大きな力となることであろう。JRグループ内で最大企業の100%子会社が、JRの監督下にある駅構内営業者の組織に入り込んで、大きな地位を占めた場合のデメリットがどう出るかは分からないが。2018年5月31日にて販売終了。「三元豚とんかつ弁当」へリニューアル。
2002(平成14)年2月21日に東京駅で発売した、農協の親玉である全農がプロデュースする駅弁。同年7月20日にリニューアル。長方形の黒い紙箱に黒いトレーを入れる。中身は胡麻をかけた宮城米まなむすめ使用の日の丸御飯、秋田産SPF豚(無菌豚)のトンカツ、煮物4品と煮豆など、すべて国産・無添加・無着色の材料で作ったもの。お品書きで触れられていないが椎茸とタケノコの巨大さは駅弁一かもしれない。
昔から農家寄りだ販売努力より政治力頼りだという批判を消費者から受けていた農協も、2001(平成13)年の輸入駅弁O−bento騒動において、NREの国産品では有機食材を必要量集められないという主張が、農協の国産で足りるコメ等の輸入はまかりならぬとの主張よりはるかに一般市民に受け入れられた事実を、ようやく販売セクションの上層部が認識したのかどうか、こんな生まれがユニークな駅弁が出てきた。販売開始後1年を超えても知名度は上がらないものの、廉価美味な内容はもっと支持されても良い。