台北駅の周囲に3棟あるバスターミナルのうち、台北駅の西側にある平屋建ての「台北西站」の、棟内の売店で売られていたお弁当。売店に「巴士便當」つまりバス弁当の掲示をして販売していた。骨付きチキン?と排骨飯の2種を実物で示され、後者を購入。
日本のスーパー向けのプラ製惣菜弁当容器に、掛紙や食品表示ラベルは付いていない。中身は白御飯を豚肉揚で覆い、厚揚げや3種の菜の炒め物を添える排骨飯。水気や汁気が多く、臭いもあるので、バス車内での消費には向かないと思うが、日本の福岡の西鉄バスターミナル以外にバス弁があるとは驚いた。
台灣高鐵つまり台湾新幹線の、駅と車内で売られる弁当「高鐵便當」のひとつ。2016年の購入時で、10時30分〜13時と17時〜19時に、台北駅を除く高鐵の各駅と、同時間帯に走る特定の列車で、6種類の弁当を販売すると、高鐵の車内誌「T Life」に書いてあった。保温バッグから取り出して、温かい状態での販売。
黒いトレーに半透明のふたをする、惣菜弁当タイプのプラ製容器には、鉄道会社の英文社名「Taiwan High Speed Rail Corporation」の略に思える「THSC-001B」(トレー)「THSC-001F」(ふた)の型番が見えるため、高鐵便當に専用のものだと思う。中身は車内誌やネット上の写真を見る限り、6種類とも御飯の具以外はほぼ共通で、容器の鋭端に焼きビーフン、鈍端に白御飯を詰め、真ん中に根菜の煮物や豆類の和え物を詰める。この弁当には御飯の上に、エリンギのようなキノコの刻み炒めと、厚揚げを載せていた。
台湾高鐵は、約350km離れた台北と高雄を2時間弱で結ぶ。日本でいう東京駅〜名古屋駅の距離や所要時間であるため、駅弁の需要はあまりないのではないかと思うが、駅に臺鐵便當の売店ができたり、断続的に専用の弁当が出たり消えたりしている。2016年時点でこの弁当シリーズが、一日あたり約4000個売れているという。
概要は上記「乾燒杏鮑磨vと同じ。高鐵便當に専用のものだと思う容器の鋭端に焼きビーフン、鈍端に白御飯を詰め、真ん中に根菜の煮物や豆類の和え物を詰める。この弁当には御飯の上に、鶏肉の塊を一個と、半身の煮玉子を載せていた。掛紙代わりの紙帯は、長辺の左右がシールになっており、開封や収集に一手間を要した。
高鐵の駅弁販売は、といっても今回は南港駅と板橋駅でしか見ていないが、日本の駅弁販売でもホーム上やコンコースで時々見掛ける、受付台のような小さい専用ブースで、航空のキャビンアテンダントやグランドホステスのような、容姿も制服も端麗で語学も堪能な若い女性の販売員が販売。一個300円ちょっとの弁当の販売にしては、コストがかかりすぎているのではないかと心配になる。台湾の物価は日本と極端には変わらないと思うが、電車やバスやタクシーなどの交通費と、屋台や弁当などの外食や中食の費用は、日本の3分の1以下に感じる。
弁当の名前どおりの木桶型の容器を、駅舎や旧型ディーゼルカーなどを描いた頑丈なボール紙の箱に入れる。紙製のカップに詰めた中身は、白御飯の上に煮玉子半分、野菜炒め、薩摩揚げのようなもの、広く大きくツヤのある豚肉揚げなどが載る。アツアツで薄めのスープももらえる。車テイ駅のテイは、つちへんに呈と書く。
集集線は南国の田舎を走るローカル線で、沿線は観光地となっている模様。その終着駅の車テイ駅は921震災後にログハウス駅舎に生まれ変わり、その脇に屋台村ができ、駅構内の側線はレールを残したまま芝生広場として利用され、駅がまるごと観光公園のよう。日曜日に訪問したため行楽客で賑わっていた。駅弁もおもいっきり観光地価格で、単純換算で約千円、感覚値で約2,500円もする高額商品だった。
阿里山森林鐵路の阿里山駅(2006年の訪問当時で休止中)に近いコンビニで買ったお弁当。プラ製トレーを入れた紙箱に、食品表示ラベルやキャンペーンシールを貼り、ラップで包む。中身は白御飯の上に高菜などの野菜炒めを敷き、オムレツと揚げパンを添え、骨付きの豚肉揚げを載せるもの。つまり排骨飯であり、風味は台鉄の駅弁と変わりない。
その紙箱にはなぜか、日本のC55形式蒸気機関車に富士山を精緻に描き、それらに不釣り合いな集合住宅も描いている。この機関車は日本統治時代の台湾にも投入されたが、記載の車番「C555」は戦前のもの。コンビニ弁当の容器絵柄をあまり詮索しても仕方がないが、何らかの意味や意図が感じられるような気がして興味深い。