バス弁を売る売店で買えた、おむすび弁当。惣菜向けプラ製トレーに、めんたいおむすび、博多地鶏おむすび、チキンロールフライ、焼サバ、玉子焼、シイタケやカボチャなどの煮物、高菜炒めなどを詰める。普通の惣菜に見えて、カシワやタカナやメンタイコでしっかり地域性を持っている。
ということで、話題性はなくなっても、バス弁はいまだ健在。訪問時で「デラックス」1,000円、「松」800円、「梅」600円、「竹」600円と惣菜タイプが、コンビニの冷蔵ケースひとつ分を占めていた。
下記の「バス弁」の、2010(平成22)年の大晦日時点での姿。パッケージの絵柄は九州一周のすごろく柄に変わったが、中身はおおむね変わっていない。かしわめしの大きな俵飯に薄い焼き鮭、玉子焼、ソーセージ、煮物各種、糸コンニャク、小さな明太子など。中身には意外に地域性がありそうで、コンビニ弁当より食べがいがある。博多駅前のビル型バス停「博多駅交通センター」は、商業施設部分の改修に合わせて2010年11月に「博多バスターミナル」へ改称している。
おそらく空弁ブームを受けて、2004(平成16)年7月1日に4種類が一斉登場した、西鉄天神バスセンターの「バス弁」。福岡県・長崎県・熊本県・鹿児島県の名所と祭りを描いたと西鉄バスを描いたと思われる長方形のボール紙容器を使用、中身はかしわめしと焼赤魚、鶏唐揚、玉子焼、タケノコなどの煮物、蒲鉾、明太子など。前々日に食べた800円の「松」より、内容が分かりやすいし美味い気がした。
天神バスセンターは、大手私鉄でありながら国内最大のバス事業者である西日本鉄道のメインターミナルで、鉄道の西鉄天神大牟田線福岡(天神)駅とデパートを併設し、一日約1,500便の都市間バスと約2.5万人が利用する日本一のバスターミナル。屋外を見渡せば道路を埋めるバス停群と西鉄路線バス群にも圧倒される、九州一の大都会で日本一のバス天国。バス弁なる妙な商品が成り立つのも、日本中でここだけかもしれない。
なお、2006年3月にパッケージをすごろく柄にするなどのリニューアルを施したとのこと。販売個数は多くないと思われるが、連日完売の人気だとか。その時点で600、800、1,000円の3種類が売られている。
※2006年4月補訂:リニューアルを追記おそらく空弁ブームを受けて、2004(平成16)年7月1日に4種類が一斉登場した、西鉄天神バスセンターの「バス弁」。九州とその北半分の名所と西鉄バスを描いた正方形のボール紙容器を使用、トレーで9区画に分かれた中身は、かしわめしと日の丸御飯とワカメ御飯、焼アジや辛子明太子や玉子焼や煮物やひじきなど。
狭く密閉されたバス車内で消費するには容器が大きく匂いがきついこと、ウンチクがまったく語られないのでコンセプトがよく分からないこと、中身の見た目や品質も並であることから、まだこなれていない感じ。それでも登場から1年を経て販売が継続されているのだから、バスターミナルのちょっと変わったコンビニ弁当として定着しているのだろう。
日本最長距離路線バス「はかた号」の車中食で、朝の車内でパック茶と一緒に配られるもの。イタリアの自然酵母パネトーネ種を使用したパンで、菓子パンの甘さと、長期保存可能パン特有のパサパサしっとり感がある。駅弁ではないが、似たようなものとして収録。
1964年の名神ハイウェイバスを事実上の起源とする日本の長距離バスは、1970年代の2度のオイルショックで壊滅したが、1983年の大阪〜福岡間夜行高速バス「ムーンライト号」の成功により、一気にブームが発生する。その時代に最長路線記録が次々に更新され、ついに東京新宿と福岡天神を直結する片道約1,150キロメートル、所要時間約15時間の王者「はかた号」が1990年に登場した。
しかし1998年に羽田〜福岡間片道運賃13,700円のスカイマークエアラインズが就航し、航空大手3社も運賃を追従すると、片道15,000円・往復27,000円の夜行バスは苦境に立たされる。1999年には共同運行の京王バスが撤退し便数は一日1往復に半減、廃止も秒読みかと思われていたが、航空運賃の再上昇にも救われ、現在も辛うじて生き残る。なお、国内最長距離のバスとしては、臨時便で1991年の夏から数回、相模鉄道が横浜〜札幌間の帰省バスを走らせたことがある。