東京駅から新幹線で約5時間。福岡市は福岡県の西部で玄界灘に面する、人口約160万人の城下町かつ港町。政令指定都市かつ福岡県の県庁所在地で、九州の鉄道や経済の中枢である大都市。駅弁は主に新幹線ホーム、新幹線コンコース、改札外の東西自由通路の売店で、地元や九州一円や西日本のものが多種売られる。1889(明治22)年12月11日開業、福岡県福岡市博多区博多駅中央街一丁目。
2022(令和4)年の6月までに、博多駅で発売か。浅い長方形の容器の一部に、白飯を置いて海苔で覆い、鶏皮の「かわ」、豚肉の「バラ」、ミンチボールの「つくね」の焼き鳥を1本分ずつ並べ、高菜と湯煎キャベツを添える。函館の名物やその根室版と違い、「安全を考慮して、こちらの商品は、「串なし」となっております。」。この分量で千円を超える商品になるのは不思議で、しかしおいしかったので、品質にこだわったと理解する。
2022(令和4)年の6月までに、博多駅で発売か。掛紙に商品名とともに描かれたニワトリは、その胴体が鶏照焼でできている。長方形のプラ容器に鶏飯を詰め、錦糸卵と刻み海苔を載せ、鶏照焼のスライスで覆い、ゴマポテトとしば漬けを添える。ステーキを名乗る鶏照焼は、たしかに厚みと大きさがあって、柔らかさもあり、食べ応えがある。
2018(平成30)年の夏までに発売か。2022年のJR九州の駅弁キャンペーン「第13回九州駅弁グランプリ」にエントリー。小柄な容器を松花堂弁当のように4区画に区切り、それぞれにかしわ飯、鶏そぼろ御飯、鶏唐揚と玉子焼、筑前煮を詰める。普通の弁当のように食べられて、見返すと確かに鶏だらけ。今は豚も牛も普通に食べていて、しかしここには鶏食の文化があったことを、駅弁で静かに語るのかどうか、それは気にしすぎか。価格は2019年時点で1,080円、2022年の購入時で1,020円、2023年時点で1,090円。
※2023年7月補訂:価格の改定を追記2021(令和3)年の夏に博多駅で発売、広島駅や東京駅などでも販売。東京駅で購入したら、おてふきと箸袋と食品表示ラベルでの連絡先が、博多や九州でなく広島の駅弁屋になっていた。調製元の博多寿改良軒が、広島駅の駅弁屋である広島駅弁当により設立されたことを知らなければ、不思議に思われることだろう。
掛紙の表面では商品名と宣伝文をレトロ調にデザインし、裏面では博多(福岡)の焼き鳥文化を紹介。簡易な長方形の容器に醤油飯を詰め、刻み海苔を振り、鶏ももたれ漬焼、たれ付焼つくね、鶏せせり塩焼、鶏皮たれ漬焼、つまりいろんな焼き鳥を散らし、うずら卵、高菜漬、ぎんなん、たれボトル、唐辛子の袋を添える。広島や東京でなく、ちゃんと福岡や九州の内容を持つ、焼き鳥が一杯の、鶏づくしの惣菜弁当。鶏飯や「かしわめし」でなく焼き鳥弁当というのは、駅弁では目新しい。価格は2022年の購入時で900円、2023年時点で950円。
※2023年7月補訂:値上げを追記2006(平成18)年の夏に博多駅限定の駅弁として発売。後に小倉駅でも売られるようになったのだろう。白飯を錦糸卵と高菜で覆い、小粒な鶏唐揚4個とスパゲティを詰め、きんぴら、切干大根、薄い蒲鉾と小さな玉子焼、レンコン揚げを添える。宣伝文が美しい専用の紙箱を用意したのに、これはどうしてやっつけ仕事。客の駅弁への期待を裏切らないか心配になる。価格は2020年の購入時で880円、2023年時点で900円。
※2023年7月補訂:値上げを追記2019(令和元)年の5月までに発売か。かつての出水駅弁「えびめし」を思い起こす、かまぼこ形かトンネル形の容器に、茶飯を詰め、鶏照焼と玉子焼で彩り、鶏唐揚、つくね串、ポテトサラダ、ししとう、高菜を添える。スマートに鶏だらけのお弁当。
調製元の「ENM」は「えん」と読み、1998年創業の仕出し弁当店であり、2017年頃から博多駅の駅弁売店に弁当を卸すようになったらしい。価格は2020年の購入時で890円、2023年時点で950円、2024年時点で1,080円、9月のJR九州の駅弁キャンペーン「第15回九州駅弁グランプリ」へのエントリー時で1,200円。
※2024年9月補訂:値上げを追記長方形の容器に木目柄のボール紙でふたをして、商品名を書いたボール紙でさらにふたをする。中身はとりそぼろの混ぜ御飯の上にローストチキンを2枚敷き、錦糸卵とタクアンを付け、玉子焼、かまぼこ、タケノコ煮、しいたけ、がんもどき、うぐいす豆を添えるもの。北部九州の駅弁で「かしわめし」でない鶏飯駅弁は珍しい。その点で博多や九州らしい駅弁はない。しかも駅売りの駅弁としては珍しく、夕方の半額セールをやっていた。ともあれ飯の部分はなかなか独特。
辛子明太子の製造販売で知られるやまやコミュニケーションズと、アニメなどのキャラクターグッズを販売するウララキューブが、2020(令和2)年4月下旬からの販売を発表した、テレビアニメ「キングダム」のキャラクター弁当シリーズのひとつ。「やまや飛信の膳」と「やまや中華統一の膳」を東京駅と新横浜駅と羽田空港で、「やまや巫舞の膳」を新大阪駅で、この「やまや怪鳥の膳」を博多駅と福岡空港で販売した。
直方体に固まる明太子飯を、鴨肉ステーキと明太子とつくねと海苔で覆い、いかしゅうまいと胡麻団子を添える。中国の春秋戦国時代を舞台にした、集英社の漫画雑誌「週刊ヤングジャンプ」での連載作品「キングダム」に登場する、秦の六大将軍の一人「王騎」が怪鳥の異名を持つことにちなんだのだろう。海苔で描く鳥が細い線でつくられていて、作るのが大変そうだと思った。
公式発表によると、新型コロナウイルス感染拡大を防止するための緊急事態宣言を受け、発売日を7月3日に延期、さらに新型コロナウイルス感染症の影響により、他県への移動が難しいことなどから、9月30日をもって販売終了。政府の新型コロナウイルス感染症対策で、新幹線駅や空港の利用者が激減したとはいえ、高額な弁当であり、4種類とも売店の見た目では、あまり売れていなかったのではないかと思う。
入手状況から1994(平成6)年9月25日16時の調製と思われる、昔の博多駅弁の掛紙の一部。調製元のジェイアールウエストレストランとは、1987(昭和62)年4月の国鉄の民営化により、翌1988(昭和63)年5月に日本食堂を各旅客鉄道会社のエリアに分割して、JR西日本エリアで生まれたにっしょく西日本が、1993(平成5)年2月に改称した会社。山陽新幹線の食堂車や車内販売などを営業した。2000(平成12)年2月にジェイアール西日本フードサービスネットへ再編。