諫早駅から島原鉄道で約70分。島原市は長崎県の南東部で有明海に突き出た島原半島の東側に位置する、人口約4万人の城下町。江戸時代に入った後に島原城が築かれ、戦乱や地滑りや噴火という災難に見舞われながら、農業や漁業や商業のまちができている。島原駅に駅弁はないが、駅裏のカフェが作る弁当が2022年秋から、JR九州の駅弁キャンペーンにエントリーされている。1913(大正2)年9月24日開業、長崎県島原市片町。
島原鉄道の島原駅の裏手にある商店「島原むすびす」で購入。この「おむすびカフェ」を名乗る店舗は、島原鉄道の島原駅弁を名乗り、2023年10月のJR九州の駅弁キャンペーン「第13回九州駅弁グランプリ」に「火山弁当」(500円)を、翌2024年10月の「第14回九州駅弁グランプリ」に「風光明媚火山弁当」(1,000円)をエントリーした。午前中の訪問で弁当は完売しており、代わりにこれを購入したもの。
母恋駅や七戸十和田駅など、ハンバーガーやサンドイッチでも入っていそうな、既存の駅弁屋では使われないタイプのふた付き容器に、いわしハンバーグと千切りキャベルサラダなどを詰めていた。こういうものが、カフェめしというのだろう。弁当のように見えて、御飯は入らないお惣菜。
今は長崎県内の島原半島で、諫早駅と島原港駅を結ぶ鉄道に路線バスやフェリーを営業する島原鉄道。当時市販の時刻表によると大正時代に駅弁が売られた可能性があるが、戦後昭和時代に駅弁があるという話を見聞きしたことがなく、島原駅には駅弁も売店もその案内もない。それでいて、なぜか上記のとおりJR九州の駅弁キャンペーンに駅弁をエントリー。駅から見えるけれど駅からは行けない店舗で、どうもその弁当が買えるようで、現地と公式サイトに「火山弁当」の紹介があった。
諫早駅から島原鉄道で約25分。雲仙市は長崎県の島原半島の西半分を占める、2005年の6町合併でできた人口約4万人の市。愛野町はそのうち島原半島の付け根に位置した人口約5千人の町で、交通の要衝とジャガイモの生産で知られた諫早のベッドタウン。当時市販の鉄道時刻表によると、1920年前後にこの駅で駅弁が売られたという。1911(明治44)年6月20日開業、長崎県雲仙市愛野町甲。
諫早駅から島原鉄道で約50分。2019年まで多比良町(たいらまち)駅。雲仙市は長崎県の島原半島の西半分を占める、2005年の6町合併でできた人口約4万人の市。うち国見町は半島の北端で川沿いに雲仙岳までのびた人口約1万人の町で、対岸の熊本県長洲とフェリーで結ばれるほか、高校サッカーの強豪校で知られた。当時市販の鉄道時刻表によると1920年前後に駅弁が売られたらしい。1913(大正2)年5月10日開業、長崎県雲仙市国見町多比良乙。
諫早駅から島原鉄道で約50分。有明海に神代川が注ぐこの地には、江戸時代に鶴亀城鍋島氏の城下町があり、武家屋敷群や陣屋跡の邸宅が2005年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された。当時市販の鉄道時刻表によると、1920年代にこの駅で駅弁が売られたという。1912(大正元)年10月10日開業、 長崎県雲仙市国見町神代乙。