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 旅の友「駅弁」。実際に食べた9,000個以上の駅弁を中心に、日本全国と世界の駅弁を紹介します。

土佐くろしお鉄道 中村(なかむら)駅 Tosa Kuroshio Railway Nakamura Station
2015(平成27)年9月訪問 GoogleMap「中村駅」

駅名標 駅舎 駅構内

高知駅から特急列車で約1時間40分。中村駅のある四万十市は高知県の南西部に位置する人口約3.6万人の城下町で、室町時代に京都を模して区画された市街地が「土佐の小京都」と呼ばれる。駅弁は国鉄時代の一時期に鉄道弘済会が入っていたが、現在は駅舎内の売店で市内の弁当屋の幕の内弁当が売られるほか、駅前のうなぎ料理屋の駅前弁当も駅弁と紹介されている。1970(昭和45)年10月1日開業、高知県四万十市駅前町。

幕の内(800円)Makunouchi
2003年3月21日に中村駅の土産物店で購入 Mar. 21, 2003

掛紙 中身
掛紙 外観 中身

1980年代に鉄道弘済会が発売か。1987年に国鉄がJR四国を経て土佐くろしお鉄道に替わり、駅売店も鉄道弘済会から同鉄道に変わっても、2010年代にいくつかの駅弁が生まれては消えたり駅舎が変貌しても、変わらずに売られ続ける中村駅の幕の内弁当。幕の内駅弁として価格や内容に優れることと、中村が時間と費用の面でどこからも行きにくいことから、幻の駅弁と紹介されることがある。

昔ながらの駅弁の浅さと大きさを持つ経木折を、四万十川名物の沈下橋の写真を使う掛紙で包む。中身は俵飯の日の丸御飯に、プラ製トレーに収めた焼サバ、かまぼこ、玉子焼、白身魚フライ、昆布佃煮などのおかずや付合せ。容器は2021年から経木折をやめて紙製の仕出し弁当向けになったらしい。価格は1986年時点で600円、2003年の購入時で670円、2018年時点で700円、2023年時点で800円。

※2025年3月補訂:値上げを追記
※2022年3月補訂:解説文の見直し
※2016年6月補訂:現況の追記
※2005年4月補訂:市町村合併による所在地名変更を反映
販売駅
土佐くろしお鉄道 中村(なかむら)駅 1970(昭和45)年10月1日開業 高知県四万十市駅前町
調製元
大八 高知県四万十市中村一条通2丁目 0880(34)1833

【終売】姿寿司(1,800円)Sugatazushi (end of sales)
2015年9月11日に中村駅の売店で予約購入 Sep. 11, 2015

掛紙 中身
掛紙 外観 外観 中身 中身 中身

「清水サバ姿寿司焼」とも。JR四国の駅弁キャンペーン「四国の駅弁選手権2014」の実施に合わせて、2014(平成26)年11月の発売。あるいは従前の「サバ姿寿司」(1,000円)のリニューアル。3日前までの注文が必要な、完全予約制の駅弁。

ワインのハーフボトルが入りそうな箱に、スーパーの白い発泡材トレーに置いてラップでぐるぐる巻きにした、サバの姿寿司を1本まるごと収める。商品名のシールには「要冷蔵」とあるが、アツアツの状態で受け取った。

これはとにかくでかい。尾頭付きで、酢飯をたっぷり腹に詰めた焼きサバは、三人前と名乗ってよい。非常に塩辛い味付けではあったが、豪快さがとても印象に残った。あるいは、豪快さに圧倒されてしまった。2017年頃までの販売か。

中村駅は2010(平成22)年3月にリノベーション。東京都内の建築家チーム「nextstations(ネクストステーションズ)」が、開業から40年が経過した鉄筋コンクリートの駅舎のうち、改札口、待合室、売店のあたりを造り替え、木材と塗装と照明とサイン類で彩った。これが2010年の日本デザイン振興会「グッドデザイン賞」特別賞・中小企業庁長官賞、2012年の土木学会「デザイン賞」最優秀賞、2014年のワトフォード会議「ブルネル賞」駅舎建築部門の優秀賞など、様々なタイトルを次々に得た。ただ、実物を見れば、改装後に漸増したと思われる様々な掲示や什器が、デザインの面では目障りに感じられるかもしれない。

以前とはまるで違う形に美しく改装された売店でも、引き続き弁当類の販売はあるが、スーパーやコンビニの惣菜のようなものがメイン。この姿寿司とともにJR四国の駅弁キャンペーンにエントリーされ、2013年度に金賞を獲得した「こだわりの四万十うなぎ弁当」(1,620円)は売り止めたという。一部で評判を得た鰻重の駅前弁当「駅弁四万十」も、調製元ごと消えてしまった。

※2025年3月補訂:終売を追記
販売駅
土佐くろしお鉄道 中村(なかむら)駅 1970(昭和45)年10月1日開業 高知県四万十市駅前町
調製元
四万十いこい 所在地の記載なし 連絡先の記載なし ※駅弁の予約先は中村駅 0880(35)4961

【掛紙】お弁当(価格不明)Obento
調製年月日不詳 1970's

掛紙

1970年代の、8月6日の調製と思われる、昔の中村駅弁の掛紙。足摺岬と1972年に開業した海中展望台の写真を使う。鉄道弘済会は1930年代、全国の構内営業者から弁当以外の販売権を召し上げてできたことから駅弁屋でなかったが、1970年代には帯広駅や東室蘭駅や釜石駅や宮古駅など、自らが駅弁屋になることがあった。中村駅でも駅のキヨスクで駅弁を売った。この掛紙には「中村駅弁調製」と書いてある。

販売駅
中村線 中村(なかむら)駅 1970(昭和45)年10月1日開業 高知県四万十市駅前町
調製元
中村駅弁 所在地の記載なし (5)4734
販売元
財団法人 鉄道弘済会 国鉄中村駅 連絡先の記載なし