広島駅から普通列車で約50分。岩国市は山口県の東端で瀬戸内海に面する、人口約13万人の城下町。海上自衛隊とアメリカ海兵隊が駐屯する軍都であり、石油化学コンビナートが立地する工業都市であり、錦帯橋や岩国城などの観光地も抱える。駅弁は、今はない。1897(明治30)年9月25日開業、山口県岩国市麻里布町。
入手状況等から1970年代のものと思われる、昔の岩国駅弁の掛紙。「ディスカバー・ジャパン」のロゴマークがあるので、1975年以降のものだろう。デザインはおそらく、錦帯橋と岩国城と吉香神社。調製元は駅弁から撤退した後も仕出し弁当とホテル業を営んでいたが、2005(平成17)年5月に破産した模様。
1971(昭和46)年11月26日の調製と思われる、昔の岩国駅弁の掛紙。こちらは逆に、1970年からの国鉄の観光キャンペーン「DISCOVER JAPAN」のロゴマークがないので、仕出し弁当用の掛紙かもしれない。デザインも地域色のない紅葉とシンプル。
1969(昭和44)年1月27日6時の調製と思われる、昔の岩国駅弁の掛紙。錦帯橋と、そのそばにある紅葉谷公園と、県をまたぐが近い宮島の絵柄で構成する。
第二次大戦前、おそらく1930年代の調製と思われる、昔の麻里布駅、現在の岩国駅の駅弁の掛紙。麻里布(まりふ)駅は、現在の岩国駅で、1929年2月3日から1942年3月31日の駅名。その間は現在の岩徳線が山陽本線であり、西岩国駅が「岩国」を名乗った。掛紙に描かれる名所はやはり、日本三名橋とも日本三奇橋とも呼ばれる錦帯橋。
1926(大正15)年8月20日の調製と思われる、昔の岩国駅弁の掛紙。どこの駅でも使えそうな、特徴のない絵柄。
おそらく1920年代の調製と思われる、昔の岩国駅弁の掛紙。価格と名前と調製元しか記さないシンプルな絵柄。調製元の蔵重錦水軒は岩国駅の構内営業者だろうが、注意書きのないこの掛紙は駅弁に使われたのかどうか。