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 旅の友「駅弁」。実際に食べた9,000個以上の駅弁を中心に、日本全国と世界の駅弁を紹介します。

【掛紙】上等御辨當(35銭)Joto Obento
1926年2月11日調製 Feb. 11, 1926

掛紙

1926(大正15)年2月11日の調製と思われる、昔の海田市駅弁の掛紙。瀬戸内海とヨットと、中国山地の山並みを描いたものか。甲了軒は1900(明治33)年に創業し山岡保太郎が営業した海田市駅の駅弁屋。1943年に広島駅の3者と海田市駅の2者が合併し、現在の広島駅弁当となった。

販売駅
山陽本線 海田市(かいたいち)駅 1894(明治27)年6月10日開業 広島県安芸郡海田町新町
調製元
甲了軒 海田市 連絡先の記載なし

香茸弁当(800円)Koutake Bento
 

2002(平成14)年3月21日に三段峡駅で発売した、香茸と山菜を使ったお弁当。廃線問題に揺れるJR可部線の活性化策の一環として、三段峡駅前の旅館兼食堂が駅弁として販売を開始したもの。購入には2〜5日前までの予約が必要。

なお、可部線可部・三段峡間は2003年11月までの廃止が確実になった。だからかどうか、2002年中にこの駅弁は販売されなくなったそうだ。

販売駅
可部線 三段峡(さんだんきょう)駅 1969(昭和44)年7月27日開業 2003(平成15)年11月30日限り廃止 広島県山県郡戸河内町大字竜川
調製元
セントラル三段峡 広島県山県郡戸河内町1729 08262(8)2719

JR西日本 三次(みよし)駅 JR-West Miyoshi Station
2014(平成26)年11月訪問 GoogleMap「三次駅」

駅名標 駅舎 駅構内

広島駅から芸備線で約2時間。三次市は広島県の北部で中国山地に位置する、人口約5万人の城下町や宿場町。盆地に四方から高速道路と鉄道が集まり、鵜飼いや自動車産業で知られる。駅弁は国鉄時代から2000年過ぎまで幕の内などが売られていたが、人知れず消えた。1930(昭和5)年1月1日開業、広島県三次市十日市南一丁目。

【終売】盛り合わせ弁当(545円)Moriawase Bento (end of sales)
2014年11月2日に三次駅の仮設売店で購入 Nov. 2, 2014

掛紙 中身
掛紙 外観 外観 中身 中身 中身

改築中の三次駅のキヨスクで買えたお弁当。浅く平たいプラ製容器に日の丸御飯を盛り、焼鮭や鶏唐揚や海老天などのおかずも盛る、スーパーの惣菜コーナーで売られるようなお弁当。訪問時には他に「鮭弁当」「高菜弁当」が、同じ値段や容器と似た中身で売られていた。調製元は地元のスーパーマーケットチェーン。2015年2月のキヨスクの閉店で、駅では売られなくなったのではと思う。

※2023年7月補訂:終売を追記
販売駅
芸備線 三次(みよし)駅 1930(昭和5)年1月1日開業 広島県三次市十日市南一丁目
調製元
株式会社 はなわ 広島県三次市十日市東4丁目9−5 0824(62)8700

【掛紙】御辨當(150円)Obento
調製年月日不詳 1960's

掛紙

1960年代のものと思われる、昔の三次(みよし)駅弁の掛紙。現在も三次の観光資源の一つである、馬洗川の鵜飼いが描かれる。三次駅の駅弁は、1987年の国鉄分割民営化の後にも存在していたようだが、紹介例に乏しいまま末期は惣菜弁当のようになり、現在は販売されていない模様。

販売駅
芸備線 三次(みよし)駅 1930(昭和5)年1月1日開業 広島県三次市十日市南一丁目
調製元
環翠樓支店 所在地の記載なし 2043番

JR西日本 呉(くれ)駅 JR-West Kure Station
2020(令和2)年2月訪問 GoogleMap「呉駅」

駅名標 駅舎 駅構内

広島駅から電車で約40分。呉市は広島県の南西部で瀬戸内海に面した、人口約21万人の港町。第二次大戦までは海軍が、戦後は海上自衛隊が拠点を構える軍港であり、造船や鉄鋼など軍需産業で発展した臨海工業都市である。駅弁は国鉄時代から21世紀まで存在したが自然消滅。1903(明治36)年12月27日開業、広島県呉市宝町。

瑳峨の小倉庵(231円)Saga no Ogura An
2010年7月31日に呉中央桟橋ターミナルの売店で購入 Jul. 31, 2010

掛紙 中身
掛紙 外観 中身 中身

これは駅弁ではなく、そもそも駅で買った商品でもないが、地元で親しまれているパンということで、ここに収蔵。大きさは並で重さは特上のあんパンがひとつ、不透明の白い袋に収まる。通常のあんパンは内部に空洞があるが、このあんパンは生地とつぶあんとの間に一切の隙間がない。表面が蜜でべたつくほど甘く、生地はふっくらしっとり。その分だけ値段は張るが、忘れられない味。1936(昭和11)年創業という製造者の会社名のユニークさが、ネット上で話題になっている。

販売駅
呉線 呉(くれ)駅 1903(明治36)年12月27日開業 広島県呉市宝町
調製元
有限会社 メロンパン 広島県呉市本通7丁目14−1 0823(21)1373

JR西日本 尾道(おのみち)駅 JR-West Onomichi Station
2023(令和5)年4月訪問 GoogleMap「尾道駅」

駅名標 駅舎 駅構内

広島駅からJR山陽本線の電車を乗り継いで約1時間半。尾道市は広島県の南東部で瀬戸内海に面した、人口約12万人の港町。商港と造船で栄え、平地の乏しさで斜面に上がった独特の市街地が、大正時代の文学作品や昭和時代の映画の舞台となり、年に約600万人もの観光客が訪れる。駅弁は1920年代から1980年代まで売られ、調製元の撤退後は2010年代まで、三原駅や福山駅の駅弁が売られた。1891(明治24)年11月3日開業、広島県尾道市東御所町。

【掛紙】鯛めし(400円)Taimeshi
1978年8月4日調製 Aug. 4, 1978

掛紙

1978(昭和53)年8月4日の調製と思われる、昔の尾道駅弁の掛紙。千光寺の鐘楼とロープウェイの写真を、タイの形に切り取った。

販売駅
山陽本線 尾道(おのみち)駅 1891(明治24)年11月3日開業 広島県尾道市東御所町
調製元
喜久屋 広島県尾道市東御所町6番17号 (22)2585

JR西日本 西条(さいじょう)駅 JR-West Saijo Station
2023(令和5)年4月訪問 GoogleMap「西条駅」

駅名標 駅舎 駅構内

広島駅から山陽本線の電車で約40分。東広島市は広島県の中央に位置する、人口約20万人の市。盆地の西条や瀬戸内海の安芸津が酒造で知られるほか、広島市郊外の丘陵地に大学や空港に商工業や住宅が進出して発展した。駅弁はないが、当時市販の鉄道時刻表や興信録によると、明治時代あるいは第二次大戦前に駅弁があったらしい。1894(明治27)年6月10日開業、広島県東広島市西条本町。


JR西日本 八本松(はちほんまつ)駅 JR-West Hachihonmatsu Station
2025(令和7)年7月訪問 GoogleMap「八本松駅」

駅名標 駅舎 駅構内

広島駅から山陽本線の電車で約30分。明治時代の山陽鉄道会社が徹底的に急勾配を避けて建設した現在のJR山陽本線について、瀬野駅から八本松駅までの約10キロメートルにだけ22.6パーミルもの坂道があり、昔の蒸気機関車や現在の貨物列車向け電気機関車が、この駅間で補機として増結される。八本松駅に駅弁はないが、かつて戦前昭和時代には構内営業者がいたという。1895(明治28)年4月4日開業、広島県東広島市八本松町飯田。


JR西日本 西広島(にしひろしま)駅 JR-West Nishi-Hiroshima Station
2025(令和7)年7月訪問 GoogleMap「西広島駅」

駅名標 駅舎 駅構内

広島駅から山陽本線の電車で3駅7分。広島の中心市街地から太田川の支流をまたいだ西側の集落「己斐(こい)」に、鉄道の駅ができ、路面電車がやって来て、広島市に編入されてその市街に呑み込まれた。西広島駅に駅弁はないが、己斐駅を名乗った頃の戦前昭和時代には構内営業者がいたという。1897(明治30)年9月25日開業、広島県広島市西区己斐本町一丁目。


JR西日本 廿日市(はつかいち)駅 JR-West Hatsukaichi Station
2025(令和7)年7月訪問 GoogleMap「廿日市駅」

駅名標 駅舎 駅構内

広島駅から山陽本線の電車で約20分。廿日市市(はつかいちし)は広島県の西部で瀬戸内海に面する、人口約11万人の市。古代から街道が通り宿場や神社や市場が立地した土地であり、中世から木材が集積し製材や木工が興った木の町であり、宮島を抱える観光地であり、電車で通勤できる広島市のベッドタウンでもある。廿日市駅に駅弁はないが、当時市販の鉄道時刻表によると1904年に駅弁販売駅だったという。1897(明治30)年9月25日開業、広島県廿日市市駅前。


JR西日本 大竹(おおたけ)駅 JR-West Otake Station
2025(令和7)年7月訪問 GoogleMap「大竹駅」

駅名標 駅舎 駅構内

広島駅から山陽本線の電車で約45分。大竹市は広島県の南西端で瀬戸内海に面する、人口約2万人の工業都市。古くは山陽道と瀬戸内海を結ぶ港町であり、昭和時代に繊維、海軍、製紙、石油化学といった産業の進出で市制を敷く都市となった。大竹駅に駅弁はないが、貨物列車が発着したり山陽新幹線の開通前は特急列車が停車した主要駅であり、当時市販の鉄道時刻表によると1904年に駅弁販売駅だったという。1897(明治30)年9月25日開業、広島県大竹市新町一丁目。


JR西日本 備後落合(びんごおちあい)駅 JR-West Bingo-Ochiai Station
2014(平成26)年6月訪問 GoogleMap「備後落合駅」

駅名標 駅舎 駅構内

広島駅からJR芸備線の普通列車を乗り継いで3時間前後。芸備線が木次線を分ける、山陽と山陰を結ぶ鉄道の要衝として、昭和時代は鉄道の町があり、駅弁も売られた。高速道路の整備で鉄道が廃れ、1990(平成2)年に駅弁や売店がなくなり、1997(平成9)年3月に駅員が撤収し、2002(平成14)年3月に急行列車が廃止。今は駅前も無人になり、駅と道のある秘境と化した。1935(昭和10)年12月20日開業、広島県庄原市西城町八鳥。