新大阪駅から新幹線で約1時間半。広島市は広島県の西側で瀬戸内海に面する、人口約120万人の城下町で政令指定都市。中国地方の商工業の中枢であるほか、世界唯二の被爆都市としてもその名が知られる。駅弁は国鉄時代からの駅弁屋が多種の駅弁を販売するほか、駅ビルで山陽・九州新幹線沿線の駅弁も売られるようになった。1894(明治27)年6月10日開業、広島県広島市南区松原町2丁目。
2023(令和5)年4月7日から5月31日まで広島駅で販売。駅弁の日に合わせ、日本鉄道構内営業中央会の会員のうち26社が、この年の4月10日から各社の駅売店などで販売した、駅弁の日記念のおにぎり駅弁の、広島駅弁当バージョンとして販売。その時は他社とのタイアップはないが、駅弁カードは付いてきた。
中身のイラストが分かりやすい、竹皮柄のボール紙製容器に、牡蠣おにぎり、タコおにぎり、穴子おにぎりと、イラストどおりのおにぎり3個を詰める。これは2014年に販売した「廣島おにぎり」と、まったく同じであり、実は9年ぶりの復刻販売。6月以降も販売を続けるようで、今回は翌年2月のデパートでの駅弁大会で買えた。
広島駅で1990年代かそれ以前から売られているかもしれないおむすび弁当。小柄な折箱に梅、昆布、鮭、おかかのおむすびを俵飯の形と大きさで並べ、白身魚フライ、ハンバーグ、ウインナー、タケノコ、枝豆、オレンジなどを添える。内容はミニマムな幕の内駅弁という感じで、極めて機能的。価格は2012年時点で650円、2014年の購入時で670円、2018年時点で700円、2023年時点で750円。
※2023年7月補訂:値上げを追記広島駅のコンビニで買ったおむすびセット。しそわかめとゴマを振った白飯の具なし握り飯がふたつと、煮玉子、鶏唐揚、ちくわ磯部揚、たくあんが入る。調製元が広島駅の駅弁屋であり、割りばしと食品表示ラベルは駅弁で使われるものと同じ。価格と分量と中身はチープな冷蔵惣菜なのに、駅弁屋の風味が活きており感心した。軽食や朝食に最適。
2001(平成13)年の発売。広島県山岳連盟が調製元に、山歩きに最適な弁当の企画を持ち込んだもの。内容は量は少なめで持ち運びやすい弁当とし、売上金の一部を山岳環境保全基金とした。小柄で底の深い容器の中身は、鮭・昆布・梅のおにぎりがひとつずつと、鳥照焼や玉子焼に加え、ぶつ切りで歯ごたえのある煮物が入る。価格は2001年の購入時で700円、2010年時点で750円、2014年現在で780円、2019年時点で800円、2023年時点で900円。
※2023年7月補訂:値上げを追記2020(令和2)年の7月までに発売か。プロ野球団の広島東洋カープの創立70周年を記念したライセンス商品。広島駅で既存のおむすび駅弁と同じ大きさの紙箱には、窓に選手の似顔絵が並ぶバスの絵柄が印刷される。中身はエビフライむすび、チキンライスむすび、ウインナーチーズ春巻、肉団子、オムレツ、明太子ポテトサラダ、かまぼこなどと、雑多に賑やか。販売はこの年限りか。
※2023年7月補訂:終売を追記2020(令和2)年の2月に広島駅や新山口駅で発売か。紙箱にイラストで紹介されるとおり、ふく唐揚むすび、ふく天むすび、ふくむすびと、茶飯とフグの身を使う小さなおむすびが各1個、天むすのように中身を出して海苔を巻いた状態で収まり、玉子焼、かまぼこ、つみれ煮、タクアンを添える。フグを使ったおにぎり弁当ないしピクニック弁当で、あっさりとした唐揚げ弁当。2022年の上半期で終売か。
※2023年4月補訂:終売を追記日本鉄道構内営業中央会が駅弁誕生135周年を記念して、会員のうち21社が2020(令和2)年4月10日から販売した、駅弁の原点であるおにぎりをメインとした記念弁当「駅弁誕生135周年おにぎり弁当」の、広島駅弁の広島駅弁当バージョン。同社は山口県内の駅弁屋を吸収したり、福岡県の博多駅の駅弁屋を継承したりした経緯からか、この広島駅版と、山口版の「山口ふくふくむすび弁当」と、福岡版の「博多かしわおにぎり弁当」の3種類を、同じ容器と似た掛紙で発売した。
掛紙にはこのキャンペーンに共通の駅弁マークを使わず、紅葉と折り鶴を描く。中身はイワシ磯辺天むすびと穴子むすびとタコ飯で3個のおにぎりと、カキフライ、カレイ西京焼、広島菜、餅菓子など。御飯たっぷり、おかずしっかりで、腹持ちがしそう。4月の東京駅と、おそらく広島駅と。翌2021年1月の阪神百貨店と鶴屋百貨店の駅弁大会で販売。
朝の広島駅の駅弁売店で買った、おむすびセット。駅弁売店なのに陳列品のほとんどは、スーパーかコンビニのお惣菜であった。梅と昆布と鮭の俵飯が各1個と、玉子焼、鶏肉、煮物という、コンパクトでシンプルなおにぎり弁当。おそらく現存しない。広島で「田舎むすび」といえば「むさし」のもの。
※2023年7月補訂:終売を追記2014(平成26)年9月の発売。この年の3月21日から10月26日まで広島県と愛媛県が合同で開催したイベント群「瀬戸内しまのわ2014」に合わせて作ったおむすび弁当。空色の折箱に、梅干しとアナゴのおむすびを各1個、もぐり飯、魚肉フライ、じゃこ天、タコ、レンコンなど。つまり具が海の味な御飯。購入後ほどなく、会期後ほどなく売り止めた模様。
瀬戸内しまのわ2014は、前年4月に施行された改正離島振興法に基づき、国土交通省が創設した離島活性化交付金を受け、瀬戸内海国立公園指定80周年と瀬戸内しまなみ海道開通15周年を記念し、広島県と愛媛県が瀬戸内海の離島や臨海部で実施したイベント。国や県が公開する事業実施記録によると、418のイベントに前年比約211万人増となる約588万人が来場し、2014年の日本デザイン振興会「グッドデザイン賞」のひとつに選定されたという。景気が良い時代であれば瀬戸大橋開通の1988(昭和63)年当時のように有料会場を設けて博覧会を開催したのだろうが、時代もお金もそうでなくなったので、民間や既存のイベントを寄せ集めて、共通のタイトルとロゴマークで売り込む、21世紀型の行事となったようだ。
2014(平成26)年1月から7月頃までの販売か。中身のイラストが分かりやすい、竹皮柄のボール紙製容器に、牡蠣おにぎり、タコおにぎり、穴子おにぎりと、イラストどおりのおにぎり3個を詰める。コンパクトで厚めで具を見せて、おいしくたのしい雰囲気。