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 旅の友「駅弁」。実際に食べた9,000個以上の駅弁を中心に、日本全国と世界の駅弁を紹介します。

JR西日本 篠山口(ささやまぐち)駅 JR-West Sasayamaguchi Station
2018(平成30)年1月訪問 GoogleMap「篠山口駅」

駅名標 駅舎 駅構内

大阪駅から快速列車で1時間強。篠山市は兵庫県の東部に位置する、人口約4万人の城下町。篠山の城跡や城下町、黒豆や栗や松茸や猪肉の生産で知られる。駅弁は1907(明治40)年からの駅弁屋が、下記のとおり昔懐かしいタイプの駅弁を駅前やホーム上や特急列車内で販売していたが、2012年に廃業し駅弁が消えた。1899(明治32)年3月25日開業、兵庫県篠山市大沢。

【終売】山菜デカンショ弁当(870円)Sansai Dekansho Bento (end of sales)
2003年12月30日に篠山口駅のホーム脇の食堂兼売店で購入 Dec. 30, 2003

掛紙 中身
掛紙 外観 外観 中身

1978(昭和53)年頃の発売か。丹波篠山のデカンショ節にちなみ、駅弁の名前に取り入れたほか、ふたに篠山城での踊りの風景を描く。中身は山菜の混ぜ御飯と、玉子焼、かまぼこ、有頭海老、ふき、ハム、漬物など。幕の内弁当というほど肉や魚を入れていない、山菜弁当というほど山菜が豊かというわけでもない、見栄えも食感も手作り感あふれる駅弁。

デカンショ節は篠山の民謡で、その由来や発祥は諸説があるが、明治時代には一高生を経て各地に広まり、その後も様々な音階や歌詞が創作されているという。毎年8月15,16日には大盆踊り「丹波篠山デカンショ祭」が篠山城跡で開催されている。

篠山口駅の駅弁は福知山線の特急列車の車内販売でも取り扱われていたが、2011年2月限りで終了した。駅弁の販売そのものも2012年に終了したという。

※2013年3月補訂:終売を追記
販売駅
福知山線 篠山口(ささやまぐち)駅 1899(明治32)年3月25日開業 兵庫県篠山市大沢
調製元
浪花食品 株式会社 兵庫県篠山市大沢287の1 0795(94)0028

【終売】幕の内弁当(920円)Makunouchi Bento (end of sales)
2003年12月30日に篠山口駅のホーム脇の食堂兼売店で購入 Dec. 30, 2003

掛紙 中身
掛紙 外観 外観 中身

篠山口駅の幕の内弁当。専用の紙箱には、栗と松茸、イノシシ、サル、城址のイラストがあり、それぞれが丹波篠山の名物なのだろう。中身は真っ白な白御飯と、焼き魚、かまぼこ、玉子焼、肉団子、ハム、エビ、煮物、漬物など。御飯たっぷりでおかずが控えめな、少し古風な幕の内駅弁。

かつては大阪と山陰を結ぶ主要幹線のひとつであった福知山線も、今や通勤輸送が主体で、特急列車の旅客の行き先もせいぜい天橋立や城崎まで。これでは駅弁が売れるはずもなく、駅弁販売の環境はかなり厳しそうに感じられる。普段は調製数が少ないのか、ここの各駅弁はいずれも幻の扱いで紹介されることが多かった。

篠山口駅の駅弁は福知山線の特急列車の車内販売でも取り扱われていたが、2011年2月限りで終了した。駅弁の販売そのものも2012年に終了したという。

※2013年3月補訂:終売を追記
販売駅
福知山線 篠山口(ささやまぐち)駅 1899(明治32)年3月25日開業 兵庫県篠山市大沢
調製元
浪花食品 株式会社 兵庫県篠山市大沢287−1 0795(94)0028

【終売】かにずし(920円)Kanizushi (end of sales)
2003年12月30日に篠山口駅のホーム脇の食堂兼売店で購入 Dec. 30, 2003

掛紙 中身
掛紙 外観 外観 中身 中身

海沿いも内陸も問わず、北近畿地方のどこにでも、同じような姿で存在するカニ駅弁の、篠山口駅バージョン。青地にカニを描くふたの絵柄は、ここでなく東北地方で見た気がする。酢飯を錦糸卵とカニほぐし身で覆い、細身のカニ脚を整列し、グリーンピースで彩るのは、この地方の駅弁の定番。ほのかな香りを楽しむ駅弁。

篠山口駅では1997(平成9)年2月に現在の橋上駅舎が完成、同年3月のJR東西線開業と同時に新三田駅から複線が伸びてきた。毎時1本の特急と2本の快速で大阪と約1時間で結ばれる。駅名から推測できるとおり、篠山の市街から離れているため、1915(大正4)年から篠山軽便鉄道が、1944(昭和19)年から鉄道省のち国鉄の篠山線が連絡したが、1972(昭和47)年2月に廃止された。

篠山口駅の駅弁は福知山線の特急列車の車内販売でも取り扱われていたが、2011年2月限りで終了した。駅弁の販売そのものも2012年に終了したという。

※2013年3月補訂:終売を追記
販売駅
福知山線 篠山口(ささやまぐち)駅 1899(明治32)年3月25日開業 兵庫県篠山市大沢
調製元
浪花食品 株式会社 兵庫県篠山市大沢287−1 0795(94)0028

【終売】猪のぼたんめし(1,200円)Inoshishi no Botan Meshi (end of sales)
2003年12月30日に篠山口駅のホーム脇の食堂兼売店で購入 Dec. 30, 2003

掛紙 中身
掛紙 外観 外観 中身

1966(昭和41)年6月に篠山口駅で発売、以後も全国で唯一のイノシシ駅弁として知られた。イノシシの頭を象った赤いプラ製の容器を、ボタンの花とイノシシを描いた黄色いボール紙の箱に収める。中身はカレー粉を混ぜた御飯を、イノシシの焼肉と錦糸卵で覆い、シイタケ、ニンジン、レンコンなどを載せ、ニンジンとさくらんぼとグリーンピースで彩り、山菜を添えるもの。食べてみると獣肉のワイルドな感じは意外に薄く、豊かな脂肪分と身の締まりが両立し、おいしい言えるものだった。

イノシシの肉は天然物となるため、12月から3月までの冬季限定発売。2004年度JR西日本「駅弁の達人」対象駅弁。容器メーカーの都合により、2005(平成17)年2月上旬に容器が市販のプラ容器に変更されたという。

篠山口駅の駅弁は福知山線の特急列車の車内販売でも取り扱われていたが、2011年2月限りで終了した。駅弁の販売そのものも2012年に終了したという。

※2013年3月補訂:終売を追記
※2005年2月補訂:容器変更を追記
※2004年5月補訂:「駅弁の達人」対象と発売月を追記
販売駅
福知山線 篠山口(ささやまぐち)駅 1899(明治32)年3月25日開業 兵庫県篠山市大沢
調製元
浪花食品 株式会社 兵庫県篠山市大沢287−1 0795(94)0028

【掛紙】鮎壽し(150円)Ayuzushi
調製年月日不詳 1960's

掛紙

1960年代、昭和40年前後の、9月2日11時の調製と思われる、昔の篠山口駅弁の掛紙。収集者は1963(昭和38)年の調製とみなした。例えばこのような姿をした、枠を魚の形にした経木折を使うアユの姿寿司だったと思われる。

販売駅
福知山線 篠山口(ささやまぐち)駅 1899(明治32)年3月25日開業 兵庫県篠山市大沢
調製元
浪花 篠山口駅 28番

【掛紙】上等御辨當(30銭)Joto Obento
調製年月日不詳 1910's

掛紙

第二次大戦前の調製と思われる、昔の篠山口駅弁の掛紙。30銭という価格から1930年代のものか、漢数字の調製印から大正時代のものか。山の中という雰囲気の小さな掛紙に、オール漢字の縦型調製印が押されているが、その年月が切れている。現在の篠山口駅では、陸軍の歩兵第70連隊が篠山に置かれたことを機に、1907(明治40)年10月に構内営業が始まり駅弁が売られたという。

販売駅
福知山線 篠山口(ささやまぐち)駅 1899(明治32)年3月25日開業 兵庫県篠山市大沢
調製元
浪花 福知山線篠山駅前 212番