名古屋駅から近鉄特急またはJR快速列車「みえ」で1時間強。松阪市は三重県中部で伊勢湾に面した、人口約16万人の城下町。かつて商業で栄えた、日本一の銘柄牛「松阪牛」の主要産地として名高い工業都市。駅弁は1895(明治28)年創業の駅弁屋が、主に牛肉のものを販売。1893(明治26)年12月31日開業、三重県松阪市京町。
国鉄紀勢本線の全通を記念し、1959(昭和34)年7月15日に発売。全国で初めて、牛肉駅弁を名乗ったという。独特の牛顔と大きな駅弁マークを描いた、大きめなボール紙の容器に収めた黒いトレーに、の白御飯、牛焼肉、ごぼう、れんこん、こんにゃく、かまぼこ、ポテトフライ、ひじき、大根漬を収める。
発売当時は日本最高額の駅弁だったそうで、現在でも高額な部類に入る。牛焼肉はとても柔らかく、割り箸のみでナイフを添付しないところに、調製元の肉に対する自信を感じた。価格は2013年の購入時で1,260円、2014年時点で1,350円、2020年時点で1,500円、2023年4月から1,700円。
※2023年7月補訂:値上げを追記2006(平成18)年1月15日に購入した、松阪駅弁の紙箱。上記の2013年のものと、ほぼ同じ。当時の表面には「MATSUSAKA BEEF」の文字があった。
松阪駅で主力の駅弁「元祖特選牛肉弁当」の特上版。要予約の駅弁か。漆塗りをイメージした正方形のボール紙容器に、駅弁の名前や社名連絡先を金文字で記す。中身は白御飯、牛焼肉、玉子焼、かまぼこ、煮物、うぐいす豆、柴漬けなどで、肉が2枚から3枚になるなど「元祖特選牛肉弁当」より少し増量されている。価格は2003年の購入時で1,580円、2015年時点で1,700円。2018年までの販売で、当時2,200円のものに統合か。
※2023年7月補訂:終売を追記上記の駅弁「特上牛肉弁当」の別バージョン。外箱は同じで、日の丸御飯に牛焼肉とおかずに付合せの中身もだいたい同じで、値段が3割ほど高い。お肉が薄めのコッテリから厚めのサッパリに増量され、甘味が加わった。価格は2008年の購入時で2,100円、2015年時点で2,200円、2020年時点で2,500円、2023年4月から3,000円。
※2023年7月補訂:値上げを追記紀勢本線の全通50周年、イコール元祖特撰牛肉弁当の誕生50周年を記念して、2009(平成21)年の駅弁の日である4月10日から年末まで販売された記念駅弁。翌年1月の京王百貨店の駅弁大会で早くも復刻駅弁の復刻販売が行われ、3月には期間を限定せず販売を継続した。
正方形の容器を二段に重ね、列車の写真を掲載した掛紙で包む。中身は下段が日の丸御飯と少々のたくあん、上段が牛肉1枚と玉子焼、シイタケ煮、カマボコ、五目豆、ナバナ醤油漬、ミカン、フーセンガム。発売当時の内容をおおむね復刻した。味は通常版と変わらない。価格は2009年の発売時や2010年の購入時で1,380円、2014年時点で1,400円、2020年時点で1,500円、2023年4月から1,700円。
この掛紙は第3弾として、2009(平成21)年7月15日から使用されたもの。DF50形式ディーゼル機関車が寝台特急列車「紀伊」を紀勢本線で牽引する姿が映る。いずれも薄幸の車両であり列車であり、前者は1980(昭和55)年までに紀勢本線から撤退、後者は1984(昭和59)年に廃止された。
※2023年7月補訂:値上げを追記2010(平成22)年1月15日の調製である、松阪駅弁の掛紙。中身や価格は上記の駅弁「復刻版元祖牛肉弁当」と同じで、掛紙が第5弾として2009(平成21)年9月20日から使用されたもの。C51形式蒸気機関車が客車を牽引して鉄橋を渡る姿が映る。架線柱が見えるのは近鉄線が並行して走るからであり、紀勢本線は現在でも電化されずディーゼル車両が走る。
2024(令和6)年1月8日に購入した、松阪駅弁の掛紙。日本鉄道構内営業中央会の「駅弁マーク」制定35周年を記念し、会員のうち29社が主に11月10日から期間限定で販売した31種類の記念駅弁のうち、松阪駅の駅弁屋のもの。今までの鉄道掛け紙シリーズと同じく、既存の駅弁「元祖特撰牛肉弁当」の紙箱に、中身や過去の写真を使う記念掛紙を貼り付けた。中身と価格は、通常版と同じ。
2023(令和5)年1月22日に購入した、松阪駅弁の掛紙。鉄道掛け紙第29弾として、通常版の「元祖特撰牛肉弁当」の紙箱に、2005年1月に紀勢本線多気駅付近で撮影した「いきいきサロンきのくに」の走行写真を使う掛紙を貼り付けて、2022年12月10日に発売。中身と価格は、通常版と同じ。
2023(令和5)年1月8日に購入した、松阪駅弁の掛紙。松阪駅弁「元祖特撰牛肉弁当」について、日本鉄道構内営業中央会の鉄道開業150年記念復刻駅弁企画により、2022年10月1日から2023年3月31日まで、レトロ調の復刻パッケージに変更して販売。おそらく1970年代後半の絵柄の掛紙を、普段の紙箱に貼り付けた。箱と中身は、通常版の元祖特撰牛肉弁当。
2022(令和4)年1月7日に購入した、松阪駅弁の掛紙。1980(昭和55)年1月の紀勢本線瀧原駅〜三瀬谷駅を走る列車という。機関車が荷物車2両と客車4両を牽く、国鉄の地方幹線における標準的な普通列車の姿で、昭和50年代限りで失われた光景。2021年12月10日発売の、鉄道掛け紙第28弾だそうな。いつもながら、通常版の容器にこの紙を貼り付けていた。
2020(令和2)年1月9日に購入した、松阪駅弁の掛紙。参宮線の鳥羽を行くキハ58系気動車6両編成の走行写真。修学旅行列車だという。2019年12月10日発売の、鉄道掛け紙第25弾だそうな。いつもながら、通常版の容器にこの紙を貼り付けていた。
2019(平成31)年1月13日に購入した、松阪駅弁の掛紙。「発売開始60周年記念」として、紀勢本線を走った寝台特急列車「紀伊」の写真を使う掛紙を貼り付けた。中身は通常版と同じ。2018年12月19日発売の鉄道掛け紙第21弾だそうな。
2017(平成29)年1月14日に購入した、松阪駅弁の掛紙。掛紙に書かれなかったが、ディーゼル機関車DD51が団体旅客向け客車「あすか」を紀勢本線で牽引する鉄道写真を使う。前年の2016(平成28)年12月10日から使い始めた、鉄道掛け紙第17弾。
2014(平成26)年1月19日に購入した、松阪駅弁の掛紙。掛紙に書かれるとおり、1993(平成5)年10月20日のお座敷列車「ふれあいみちのく」の走行写真を使う。前年2013(平成25)年12月10日から使い始めた、鉄道掛け紙第10弾。
2013(平成25)年1月12日に購入した、松阪駅弁の掛紙。同年3月21日に6両2編成がデビューする予定の、近鉄50000系特急電車「しまかぜ」のイラストを使用した掛紙を、通常の紙箱にぴったり貼り付けていた。個室、和室、グループ席、軽食堂、接客係という、日本の独立採算鉄道では過去40年間屍累々の要素を、伊勢志摩ライナーでも懲りたはずの近鉄がまた挑戦するとは驚いた。前年2012(平成24)年10月から使い始めた、鉄道掛け紙第7弾。
2012(平成24)年1月20日の調製である、松阪駅弁の掛紙。この時の冬季限定掛紙として、通常のボール紙箱容器を包む形で、紀勢本線を走る団体専用列車の写真を印刷した掛紙を巻いていた。JR東海の管内ではもはや走ることが許されない、ディーゼル機関車と客車との組合せである。前年2011(平成23)年12月から使い始めた、鉄道掛け紙第4弾。
1971(昭和46)年1月31日の調製と思われる、昔の松阪駅弁の掛紙。当時の写真によると、容器や見栄えや中身は、現在の牛肉弁当でなく、牛肉入り幕の内弁当といった感じ。掛紙の使用や、この掛紙に残る容器の輪郭も、昭和時代の幕の内駅弁のもの。