東京駅から北陸新幹線はくたか号で2時間弱。飯山市は長野県の北端で千曲川が流れる、人口約2万人の城下町。江戸時代まで街道と河川の物流で栄え、明治以降は鉄道や道路に恵まれず衰え、2015(平成27)年に北陸新幹線の駅ができた。駅弁は2016年に突然出現するも、2018年頃に消えた。1921(大正10)年10月20日開業、長野県飯山市大字飯山字舛ノ浦。
2016(平成28)年10月のJR東日本の駅弁キャンペーン「駅弁味の陣2016」へのエントリーに合わせて発売か。駅弁の名前や笹寿司の絵柄などを記した、笹の葉柄のボール紙の箱に、5枚の笹寿司と、サラダや漬物を詰める。
容器での説明によると上杉謙信ゆかりの合戦食で郷土食である、信越地方の郷土料理である笹寿司は、ここでは小判状の飯に山菜味噌漬と錦糸卵と紅生姜を貼る。かつての長野駅などで、細長い溝に各種の笹寿司を詰めた駅弁があったが、これは同じものを平たいまま重ねて置く。買う前から食べた後まで、きれいな見栄えと味を持っていた。
飯山駅の売店やコンビニやカフェでの、駅弁としての販売は、2018年頃までか。この笹ずしの中身そのものは、飯山市街の寿司店「ぜにがめ堂」で買うことができる。
※2021年3月補訂:終売を追記2016(平成28)年10月のJR東日本の駅弁キャンペーン「駅弁味の陣2016」へのエントリーに合わせて発売か。上の「信州いいやま謙信笹ずし」とは調製元が異なるが、同じボール紙箱を共有し、これに商品名を書いた掛紙をかける。
中身は笹ずし4枚に、牛肉巻と鶏肉巻と豚角煮や煮物類などを詰めたもの。笹ずしのうち2枚はサーモンとイクラと刻み玉子、もう2枚も錦糸卵と紅生姜が細かく刻まれていて、上の駅弁とは似て非なる感じ。調製元は個人宅で営業する飯山市内の笹寿司専門店。
日本の地方は歴史や田舎を売りにすることが多いと感じているが、ここ飯山は、この笹ずしを駅のおしゃれなカフェで提供したり、駅レンタサイクルにファットバイクがあったりと、新しさも売る感じ。欧米に行かず、車に頼らなくても山岳リゾートを楽しめそうに思い、新たな駅弁にもそんな方向性が反映されている気がした。
飯山駅の売店やコンビニやカフェでの、駅弁としての販売は、2018年頃までか。この笹ずしの中身そのものは、飯山市街の寿司店「ぜにがめ堂」で買うことができる。
※2021年3月補訂:終売を追記