東京駅から上越新幹線「とき」で2時間強。新潟市は信濃川の河口で日本海に面した、人口約78万人の港町。水田や漁港から新幹線や空港までなんでもある、本州の日本海側では随一の大都市。駅弁は明治時代から売られ、新発田駅や新津駅の駅弁もここに来て、駅弁売店で多種が並ぶ。1904(明治37)年5月3日開業、新潟県新潟市中央区花園1丁目。
2024(令和6)年4月1日に新潟駅や東京で発売。3月27日に放送されたUX新潟テレビ21のテレビ番組「反撃の新発田〜もう裏切りとは言わせない〜U」とのコラボ弁当だという。楕円形の容器を収めるスリーブは、小判の絵柄でできている。これに酢飯を詰め、「にいがた和牛新発田牛(しばたうし)」のしぐれ煮で覆い、厚焼玉子を載せ、桜花漬で彩り、アスパラ素揚と食用菊お浸しを添える。同じ調製元が出した東京で人気の駅弁「えび千両ちらし」の、牛肉版のようなもの。酸味と高価は気になるが、赤身がおいしくビーフが香る牛丼をいただける。
2024(令和6)年1月の京王百貨店の駅弁大会で輸送販売。この催事で、掛紙を復刻した駅弁「昭和レトロな掛け紙弁当」のひとつとして売られた。「特製御弁当」の掛紙は信濃川の萬代橋と新潟まつり花火大会の写真を使う、昭和40年代か昭和50年代のものだろうか。
中身は「牛肉まいたけ弁当」ということで、長方形の容器に白飯を詰め、にいがた和牛とごぼうとまいたけの煮物で覆い、大根味噌漬を貼り、ぶりの焼き漬けと玉子焼としば若布を添えるもの。既存の新潟駅弁にない名前と内容であり、しっかり固めな肉と魚がうまい弁当なので、そのうち復刻掛紙をスリーブに替えて新潟駅でデビューするような気がする。
2020(令和2)年10月1日に新潟駅で発売、同月のJR東日本の駅弁キャンペーン「駅弁味の陣2020」にエントリー。それ以前にも駅でなくイベントで売られた商品らしい。その名前は、大晦日の夜の視聴率日本一の名物番組「NHK紅白歌合戦」にあやかったものに感じられる。四角い容器を収めるスリーブには、雪模様に白い豚と赤い豚がたくさん描かれ、やはり歌番組さながら。
中身は佐渡産コシヒカリの白飯の、半分を塩麹味の白い豚肉で覆い、黒い海苔で彩り、半分を味噌味の赤い豚肉で覆い、玉子焼と赤い紅生姜で彩り、食用菊おひたし、赤カブ酢漬け、アスパラで仕切るもの。豚肉には新潟県阿賀野市で1987年から製造され人気の商品であるヤスダヨーグルトのホエイ(乳清)を与えられて育つ、同市内の食肉加工会社である佐藤食肉が2017年から販売する商品「純白のビアンカ」が使われる。ふんわり淡泊な、白い豚丼。
2008(平成20)年4月に東京や新潟でのJR東日本駅弁大会に向けて発売か。半年間の期間限定を延長して販売を続け、10年以上が過ぎても売られる定番の駅弁となった。牛の文字と肉の写真が目立つスリーブに収めた長方形の容器に、新潟米コシヒカリの白飯を詰め、牛そぼろ煮で覆い、村上牛のしぐれ煮でさらに覆い、紅生姜、ごぼう煮、玉子焼、茎わかめを添える。標準的な内容で味付けの濃い牛肉駅弁。価格は2008年の発売時で1,100円、2014年時点で1,200円。
村上牛とは、新潟県村上市の村上牛生産協議会に加入する農家が肥育する黒毛和種のうち、日本食肉格付協会の枝肉格付で肉質等級AかBかつ5等級か4等級のものに付くブランドネーム。新潟県を代表するブランド牛であるが、新潟県そのものが肉用牛の主要な産地ではないため、ブランド力はあまり強くない印象。村上牛の使用を名乗る駅弁も、これひとつだけ。
※2022年1月補訂:写真を更新し解説文を整理2008(平成20)年8月6日に購入した、新潟駅弁のスリーブ。その絵柄も容器も中身も、この年の発売時から2021年時点まで、だいたい変わらない。
北陸新幹線の長野駅から金沢駅までの開業に合わせて、JR東日本新潟支社が2015(平成27)年3月14日から6月30日まで実施した観光キャンペーン「うまさぎっしり新潟春の観光キャンペーン」に伴い、2015(平成27)年4月29日に管内で5社各1種類が発売された新作駅弁のひとつ。他に神尾商事の「ぶりかつ丼」(900円)、新発田三新軒の「新潟和牛おこわ」(1,000円)、三新軒の「CUP de 寿司」(1,100円)、池田屋の「きつねいなりと鮭菊ずし」(1,050円)がある。「きざみわさびで食べる新潟和牛焼肉弁当」の名前で発売し、2017年までに「きざみわさびで食べるにいがた和牛焼肉弁当」に改称し、2021年7月には「きざみわさびで食べるにいがた和牛牛めし弁当」へ改称した。
中身は2015年の発売時から変わらない。長方形の容器に白飯を詰め、牛肉煮とタマネギ煮で覆い、煮玉子1個と茎わかめを添える牛丼弁当。ここまでは普通の牛肉駅弁で、これに「金印きざみわさび」の小袋を付けており、わさび風味をアレンジできることが特徴。価格は2015年の発売時で1,150円、2023年時点で1,200円。
※2023年11月補訂:写真を更新2015(平成27)年5月23日に購入した、新潟駅弁のスリーブ。当時の黒いスリーブでは「焼肉弁当」と金文字で記していた。売店でのわかりやすさは、上記の2023年の白文字のほうがよさそう。上記のとおり駅弁の名前は不思議と変遷した。中身は変わらない。
北陸新幹線の長野駅から金沢駅までの開業に合わせて、JR東日本新潟支社が2015(平成27)年3月14日から6月30日まで実施した観光キャンペーン「うまさぎっしり新潟春の観光キャンペーン」に伴い、2015(平成27)年4月29日に管内で5社各1種類が発売された新作駅弁のひとつ。他に神尾商事の「ぶりかつ丼」(900円)、新潟三新軒の「きざみわさびで食べる新潟和牛焼肉弁当」(1,150円)、三新軒の「CUP de 寿司」(1,100円)、池田屋の「きつねいなりと鮭菊ずし」(1,050円)がある。
見た目は普通の牛肉弁当。四角い容器に茶飯のようなものを詰め、牛肉煮で覆い、玉子焼と赤カブ酢漬を添える。この御飯が、牛そぼろを混ぜた新潟県産米「こがねもち」のおこわで、肉は「にいがた和牛」という。当然にもちもちして、見た目以上に肉がある感じ。2020年までの販売か。
※2022年4月補訂:終売を追記2005(平成17)年1月頃に発売か。円形の加熱機能付き容器に、駅弁の名前と演説する豚のイラストを描いたボール紙のふたをかけて、プラ製帯で留める。中身は出汁飯の上に越後もち豚しゃぶしゃぶ肉がたくさん載るもの。柔らか薄切り豚肉の白さと、別添で容器と一緒に暖めるしゃぶしゃぶ用ごまだれが目新しい。10〜5月の販売。2013年頃までの販売か。
調製元は羽越本線新発田駅と新潟駅の駅弁屋を名乗るが、所在地が新津・燕三条・新潟の各駅で駅弁を売る三新軒と同じ場所であり、近年は新発田駅で駅弁を買えたという報告がないため、三新軒と一体と見なして良いだろう。新潟・新津・新発田の駅弁屋が第二次大戦時に統合し三新軒を名乗り、戦後に元通り三分割したが、21世紀にふたつが統合という具合。
※2017年8月補訂:終売を追記2005(平成17)年に発売か。円形桶型容器に白い和紙柄の掛紙をかけて赤い紙ひもでしばる。中身は白御飯の上に、肉厚で駅弁の名前そのままの越後もち豚味噌焼きロースを貼り付けて、紅生姜とモヤシとサヤエンドウを添える。
先に名前を見たこともあるだろうが、赤身の歯応えの裏にお餅のような粘度を感じる豚ロースと、それに絡む味噌だれが肉にも飯にも合うし、それでも豚肉好きでない人を引き付けるほど美味ではないが、将来に新潟が養豚の名産地になれば、名駅弁になれるだけの素質はあると思う。価格は2005年の発売時や購入時で1,000円、2009年時点で1,050円、2014年4月の消費税率改定で1,080円。2019年までに終売か。
※2020年4月補訂:終売を追記1998(平成10)年10月31日10時の調製と思われる、昔の新潟駅弁の掛紙。豚のコックさんが弁当の名前をアピールする、豚肉の弁当としてとてもありがちな絵柄。