新潟から観光列車「SLばんえつ物語」で約3時間。山都町は福島県の最北西部に位置する、人口約4千人の蕎麦の町であったが、いわゆる平成の大合併に伴い2006年に喜多方市へ吸収された。駅弁はないが、1999年から2010年まで、SL列車の運転日に限り、ホーム上で「山都そばSL弁当」その他惣菜や土産物が台売りされた。1910(明治43)年12月15日開業、福島県喜多方市山都町字西原。
会議用の仕出し弁当の容器のような赤黒いビニール系の容器に掛紙を糊付けする。容器の御飯を詰める部分に、太さがまちまちで手作り感が満点な、地元名産のそばをもりで入れ、おかずの部分にはポリ容器入りのそばつゆ、付合せの部分にはネギと山菜の薬味。
そばは何も付けずにそのまま食べたほうが美味いと感じた。公式な駅弁になったり、それを目指すという話を聞かないが、1999(平成11)年の観光SL列車「SLばんえつ物語」の登場で、日出谷駅の駅弁「とりめし」とともにクローズアップされ、SLの旅を彩る存在となった。SL列車の運転日のみ、山都駅のホーム上で限定販売。
この弁当は2010(平成22)年限りで終売の模様。2012(平成24)年4月に「SLばんえつ物語」に乗車し再訪したら、過去に山都駅のホーム上で賑やかだった物品販売そのものが消えていた。調製元の山都町振興公社は、2010年7月1日に喜多方市の4公社の合併で「喜多方市ふるさと振興株式会社」となった。
※2012年4月補訂:終売を追記