名古屋駅から東海道線の快速電車で30分ほど。岡崎市は愛知県の中部に位置する、人口約38万人の城下町。江戸時代に東海道の宿場や矢作川の河港があり、徳川家康の生誕地として藩や城が置かれた。明治時代に官営紡績所の操業や鉄道の開通で工業化、第二次大戦後は名古屋のベッドタウンにもなる。駅弁は1907(明治40)年から1992(平成4)年頃まで売られた。1888(明治21)年9月1日開業、愛知県岡崎市羽根町字東荒子。
1960年代頃、昭和30年代頃の調製と思われる、昔の岡崎駅弁の掛紙。岡崎市の電話番号に市内局番が付く、1966(昭和41)年頃より前もの。絵柄は岡崎城と花火大会。岡崎駅で明治時代から駅弁や雑貨などを販売した鍵屋は、名物の駅弁を持たないのに定評のある駅弁屋だったようだが1992(平成4)年頃に撤退、岡崎駅に駅弁やその痕跡は何もない。
1941(昭和16)年5月不明日の調製と思われる、昔の岡崎駅弁の掛紙。大政翼賛、職域奉公、戦地偲んで感謝の節米、先着順に一列励行、そして価格停止品を示すマル停マークと、戦時であることが見て取れる。
1929(昭和4)年3月9日の調製と思われる、昔の岡崎駅弁の掛紙。この頃に岡崎や近隣で、何が奉祝されたのだろうか。前年の秋であれば、天皇の即位を祝う御大典奉祝名古屋博覧会の開催や、岡崎市域を倍以上に広げた1市4村の合併がある。