2011(平成23)年11月23日に催行された、未供用の高速道路の路面を歩くクラブツーリズムの日帰りバスツアー「新東名ウォーク」で配布されたお弁当。駅弁でも似たものは見ている、竹皮柄を印刷したボール紙製の容器に、富士と品物名とおしながきと、旅行会社と高速道路会社と調製元のアイコンを記したインクジェット印刷の掛紙を巻く。
中身は白飯と緑茶飯とサクラエビ飯で3個のおむすびと、黒はんぺんフライ、サクラエビのかき揚げ、玉子焼、肉団子、ウインナー、タケノコやがんもどきなどの煮物、安倍川餅。「ウォーキング・ハイキングツアー」らしいハイキング弁当な内容ではあるが、持ち歩くと中身がぐちゃぐちゃになったのはその趣旨に反するかと。調製元は静岡では大手の惣菜屋である模様。
新東名高速道路は東京と名古屋を、正確には神奈川県海老名市と愛知県豊田市を結ぶ、自動車専用の高速道路。2012年4月14日にまずは御殿場ジャンクションから浜松いなさジャンクションまでの区間で開通し、既存の東名高速道路の補完を始めた。
バブル経済の頃に東名高速道路の渋滞緩和を主目的に「第二東名高速道路」として計画を策定、オール6車線と時速140km走行という全国最高の規格で、土木の学会と業界を挙げて東海地方の山中にトンネルと高架橋を造り始めた。後の政治的混乱により、制限時速100kmの4車線道路という従来の高速道路と変わらない姿で開通したが、曲線半径3000mと勾配2%という線形は維持されたため、トラックや高速バスはさっそく運転が楽なこちら側を好んで走るようになっている。
2007(平成19)年3月21日に12箇所15種類が追加された、中日本高速道路「速弁」第二弾のひとつで、富士川サービスエリア初めての速弁。速弁公式サイトでは「駿河牛」、容器では「するが牛」、しおりでは「静岡するが牛」と、商品名が微妙に異なる。
厚みと強度がある長方形の経木折風ボール紙箱を、和紙風のナイロン製風呂敷で包む。中身は白御飯の上に錦糸卵とピーマンを介して静岡するが牛ロースを載せ、玉子焼に桜海老焼売、そしてロールキャベツやナス味噌田楽その他の野菜煮物類などを添える。
メインの牛肉は冷やして(冷蔵販売)美味いタイプのものではなく、分量と内容に割高感があるが、柔らかい風味と弾力性のある食感がすべての具やおかずに共通しており、そこに手間とコストをかけているか。2008年までの販売か。
※2015年10月補訂:終売を追記2007(平成19)年3月21日に12箇所15種類が追加された、中日本高速道路「速弁」第二弾のひとつで、牧ノ原サービスエリア初めての速弁。「〜匠〜」(3,500円)とこれの2種類がここに投入された。
深さのある細長い黒く細長い容器を、2段に重ねてさらに高さを出し、これに掛紙を貼り付け、おしながきと割りばしなどを置き、和紙風のナイロン製風呂敷で包む。中身は下段が桜海老御飯と豆御飯とじゃこ御飯、上段がアユ塩焼に有頭海老、揚げ鶏に厚焼玉子、ジャガイモやカボチャなどの煮物など。桜海老を除き地域色が薄い内容だが、高級弁当としての体裁と内容と風味が出されている。2008年までの販売か。
※2015年10月補訂:終売を追記東京インターから東名高速道路で約1時間。その立地と規模から、比較的長い距離を移動するトラックや高速バスの休憩所としてよく利用されており、昭和の頃から高速道路内では珍しく風呂や宿泊所を備える。富士山が見えるサービスエリアでもある。1969(昭和44)年5月26日開設、静岡県駿東郡小山町及び御殿場市。
2010年4月の足柄サービスエリア改装開業に伴い発売か。箸袋でも分かるとおり「柿安」その他のブランドで全国展開する企業の製品だけに、全国で買える商品だと思う。プラ製トレーを接着した長方形の容器に透明なふたをして、商品名を書いた金色の掛紙を巻く。中身は白御飯にタマネギ炒め混じりの牛肉煮を載せて、もやし玉子炒めと柴漬けを添えるシンプルなもの。甘く固く煮られ飴色に輝く薄い薄い牛肉は、ビーフジャーキーをとてもとても上品にしたような姿と味だった。
東名高速道路足柄サービスエリアは、静岡県の東端に位置する大規模な休憩施設。昭和の頃から風呂と宿を備えていることも特徴で、高速バスや観光バスの休憩場所としてもよく使われる。初めて日中の明るい時に来た訪問時、店舗が営業中の建物内は満員の盛況で、女性トイレには数十mもの果てしない行列ができていた。かつてここでは公式な速弁が誕生していたはずだが、店内では弁当の販売そのものがなく、こうしてテナントでのみ弁当が買えた。
東京インターから東名高速道路と新東名高速道路で約70分。愛宕山裾野の南側斜面で駿河湾を望む立地で、新東名では唯一のオーシャンビューを生かしたリゾート風に仕立てたという。2012年4月14日開業、静岡県沼津市。
2011(平成23)年11月23日に催行された、未供用の高速道路の路面を歩くクラブツーリズムの日帰りバスツアー「新東名ウォーク」における、駿河湾沼津サービスエリア予定地での物販展示で販売されていたお弁当のひとつ。調製元は静岡県沼津のうなぎ食堂。その店名を金文字で押した黒いボール紙製の長方形の容器に、同じく同店の専用と思われる絵柄の包装紙を巻く。中身は御飯とウナギの蒲焼きだけ。薄手の蒲焼は比較的厚い皮が柔らかいなど脂質が豊かに香り、曇天と寒風で凍える身体に優しい味、そうでなくても上質な鰻丼だった。
新東名高速道路の初期開通区間には4箇所のサービスエリアがある。官製の日本道路公団の頃は有形無形の制約で休憩施設としての性格が強かったと思うが、2005年10月の民営化により儲けるための商売がおおっぴらにできるようになったため、賑わう箇所は次々と商業施設としての作り込みが行われている。新東名の開通時も、サービスエリアのみをめぐるバスツアーを旅行会社が造成するくらいの注目を集めた。
東京都の東京インターチェンジから247.9km。所在地の静岡県浜松市は静岡県の西端を占める人口約80万人の政令指定都市。公式な速弁は2種類が出ているが、ウナギで有名な浜名湖に面するここでは古くから鰻重その他のウナギ料理が親しまれており、これが弁当としても販売されている。1969(昭和44)年2月1日開設?、静岡県浜松市北区三ヶ日町佐久米字崎山。
浜名湖サービスエリアの速弁に見える、全国通販対応の土産物。たっぷりの牛しぐれを酢飯で包んで海苔を巻いて、カチカチに固めて真空パックとした太巻きを1本、商品名と中身写真を書いたボール紙の箱に詰める。内容も風味も、棒状をなす牛しぐれ丼という印象。この形状は、東海道〜山陽本線を青春18きっぷで移動すると遭遇する、大垣〜米原間と相生〜岡山間及び静岡県内の輸送力不足放置による混雑区間、いわゆる「関所」での立ち食いに適していると思う。
紙箱のデザインにも中身の内容や風味にも既視感があり、調べると5年半前に近鉄の五十鈴川駅で買った「磯巻寿し」にとても似ている。商品名で検索したり旧商品のリンクをたどると、現在の調製元の名に至るため、商品名は異なるが同一のものだと思われる。近鉄つながり(浜名湖サービスエリアの食堂は近鉄が運営)で浜名湖サービスエリアでの販売があるのだろうか。
浜名湖サービスエリアのうなぎ弁当というガチな商品。経木枠の長方形の容器に、商品名と食品表示と注意書きだけを書いたボール紙でふたをする。中身は白御飯にウナギ蒲焼を2切れ載せてたれをかけ、大根漬と三つ葉漬を添えるもの。噛み切れるけれど崩壊しない柔らかさを持つ身も皮の鰻蒲焼は、昔懐かしい、つまり浜名湖が日本一のウナギ産地であった頃に、贅沢品としてたまに喜んで食べた味がした。分量の少なさに加え、付合せの毒々しさも印象に残ったが。
現況はどうであれ今でも有名なウナギの産地である浜名湖の、湖岸に面するサービスエリアで、うなぎ弁当がないわけにはいかない。商品の発売時期は資料がないが、速弁という言葉が生まれる前から存在していたのではないかと思う。価格は2008年の購入時で1,050円。その後にウナギが暴騰したので、現存していれば今はこんな価格では買えないと思う。
※2015年10月補訂:現況の推測を追記浜名湖サービスエリアの速弁に見える、全国通販対応の土産物。ウナギの棒寿司を1本、真空パックに入れ、割りばしとタレと山椒ごと竹皮に包み、輪ゴムで留めてから商品名や宣伝文を書いた掛紙を巻く。ウナギの身は薄いものの、柔らかい浜名湖の味。価格は2008年の購入時で1,260円。その後にウナギが暴騰したので、現存していれば今はこんな価格では買えないと思う。
※2015年10月補訂:現況の推測を追記2007(平成19)年3月21日に12箇所15種類が追加された、中日本高速道路「速弁」第二弾のひとつで、浜名湖サービスエリア初めてかつ唯一の速弁。木目柄の柔らかい容器におしながきを兼ねたカラーコピー帯を巻き、和紙風のナイロン製風呂敷で包む。
中身はお品書きベースで28種類。きじ味御飯にきじ巻き長ネギ、きじ照焼、きじ新丈に加えて、かき揚げ、野菜各種の煮物、有頭海老、うなぎ新丈、湯葉醍醐など、見ても食べても書いても様々な食材が詰まる、おなかいっぱいな会席料理。それに鶏きじ焼き風ではなく、本当にキジを使う弁当も珍しい。価格はそれを反映したのだろう。浜名湖だから単純に鰻丼だ、としないコンセプトがどこまで自動車客に伝わるか。2011年頃までの販売か。
東名高速道路浜名湖サービスエリアは、浜名湖に突き出た岬に位置する、規模が大きく利用者も多いサービスエリア。売店等の施設は上下線共用で、レストランでは鰻丼も当然に提供される。
※2015年10月補訂:終売を追記