東京駅から特急列車で約1時間45分。伊東市は静岡県と伊豆半島の東端に位置する、人口約6万人の温泉町。毎分30キロリットル以上も湧出する豊富で刺激の少ない湯を、安い銭湯から高級温泉旅館まで様々な形で楽しめる。駅弁は駅舎内で駅前とホームに面した売店で販売。いなりずしに定評がある。1938(昭和13)年12月15日開業、静岡県伊東市湯川3丁目。
従前の「五目ちきん弁当」や「五目とりめし弁当」に代わり、1980年代に伊東駅で発売か。枠とふたに経木を使う長方形の容器を、伊豆半島のイラストを昔ながらに描いた掛紙で包む。中身は容器の全面に茶飯を敷き、鶏照焼、玉子焼、タケノコ煮、シイタケ煮、奈良漬を載せるもの。個々のおかずが大きく、特に駅弁の名前にもなるごつい鶏肉が豪快。しかし味は大味でなく、むしろ柔らかく弾力性のある食感と程良い風味はいつまでも口が覚えてしまう。価格は2010年時点で730円、2014年時点で780円、2017年12月27日から800円、2020年2月から810円、2022年1月から820円、12月28日から860円、2023年8月から900円、2024年時点で940円。
※2024年9月補訂:値上げと推定発売時期を追記2004(平成16)年4月25日の調製である、伊東駅弁の掛紙。上記の2012年のものと比べて、食品表示と価格と電話番号しか変わらない。一方で、新幹線電車のイラストを除いて変えるべきところもない。この絵柄は、いつから使われているのだろうか。
伊東駅に2種類ある幕の内弁当のうちの、安価なほう。正方形の経木折に半分だけ日の丸御飯を敷き、半分はトレーを入れて鶏唐揚や玉子焼や蒲鉾などを詰める。特製幕の内弁当との差はおかずのグレードだけで、分量に大差はない。特製幕の内弁当、全席S席、高級分譲マンション、毎日が特売日という具合に、「並」のクラスがないのに「上」のクラスを設ける商売が横行する中、伊東駅の幕の内弁当は「特製」も無印もあるから、安心して信用できる気がする。
価格は2010年時点で680円、2011年時点で730円、2014年時点で780円、2017年12月27日から810円、2020年2月から840円、2022年1月から860円、12月28日から910円、2023年8月から950円、2024年時点で980円。
※2024年9月補訂:値上げを追記2022(令和4)年10月9日に購入した、伊東駅弁の掛紙。鉄道開業150年を記念し、10月9日から28日まで、謹製御弁当(幕の内弁当)の掛紙を、この版に差し替えた。容器や中身や値段は、普段の幕の内弁当と同じ。この時の日本鉄道構内営業中央会の鉄道開業150年記念復刻駅弁企画や、JR東日本の駅弁キャンペーン「駅弁味の陣2022」には含まれない。
2021(令和3)年1月22日に購入した、伊東駅弁の掛紙。この年の3月のダイヤ改正での、伊東駅を通る特急列車「踊り子」からの185系電車の引退を記念して、1月15日からその電車をイラストにした掛紙が出現した。185系の45年間で普段の姿であった、全4種の車体色も描かれる。中身や容器や値段は、上記の駅弁「謹製御弁当」と同じ。
2012(平成24)年8月2日の発売。透明なプラ容器に、どでかい鶏唐揚が3個入る。並等の幕の内弁当に入る鶏唐揚について、これだけを売ってほしいとの客の声に応えて発売、翌月には駅売りも開始したという。塩気と油気がたっぷり、まるで竜田揚が油をよく吸った衣まみれになったような感じの、くどくて口内と胃腸に重たい個性的な商品。価格は2014年の購入時で500円、2017年12月27日から530円、2020年2月から560円、2022年1月から570円、同年に3個入りの容器が紙からプラに替わり、12月28日から600円、2023年8月から630円、2024年時点で660円。
※2024年9月補訂:新旧の写真を入れ替えて値上げを追記2014(平成26)年12月に購入した、ぎおんのからあげ。2012年の発売から2022年まで、からあげはお惣菜用の紙カップに入っていた。中身や風味は変わらない。
※2024年9月補訂:新旧の写真を入れ替えて解説文を手直しこれも2012(平成24)年8月2日の発売か。こちらは唐揚が4個入る。値段と分量を除き、3個入りのものと同じ。価格は2017年の購入時で660円、同年12月27日から700円、2020年2月から740円、2022年1月から760円、12月28日から800円、2023年8月から840円、2024年時点で880円。
※2024年9月補訂:値上げを追記2019(平成31)年4月までに発売か。上記の「ぎおんのからあげ」の、後に追加された2個入り商品。惣菜向けの透明プラ容器に、3個入りや4個入りと同じ商品名シールを貼り、中身は鶏唐揚が2個。味は当然に同じ。価格は2019年の発売時や購入時で350円、2020年2月から370円、2022年1月から380円、12月28日から400円、2023年8月から420円、2024年時点で440円。
※2024年9月補訂:値上げを追記JR東日本の観光キャンペーン「LOOK EAST」のオリジナル駅弁131種類のひとつとして、1989(平成元)年3月に発売か。薄い木を巻いた楕円形の容器に、鯛と笹を描いた掛紙をかける。中身は東海道線に今も横浜から静岡まで伝わるそぼろの鯛飯が3分の2、ホタテ唐揚、ごぼうとシイタケの煮物、奈良漬のおかずが3分の1。鯛そぼろをこぼさずに食べるのは少々技術が要るが、味は良く量もなかなか。価格は2012年の購入時で730円、2014年時点で810円、2017年12月27日から840円、2020年2月から880円、2022年1月から900円、12月28日から940円、2023年8月から980円。
※2023年8月補訂:値上げを追記2002(平成14)年4月21日の調製である伊東駅弁の掛紙。上記の2012年のものと比べて、変わったのは食品表示と価格だけ。
2011(平成23)年までに発売か。2009年頃まで売られた駅弁「ちらし弁当」の復活か、あるいは改称か。駅弁の名前と掛紙の絵柄そして値段が変わり、御飯が酢飯になったが、容器と中身は変わらない。正方形の経木折風容器に酢飯を敷き、タイそぼろ、玉子焼、かまぼこ、油揚げ、サクラエビ、シイタケ、ハス、ニンジンなどで覆う。今回は内容どおりの風味を感じた。価格は2014年時点で750円、2017年12月27日から780円、2020年2月から810円、2022年1月から840円、12月28日から900円、2023年8月から940円、2024年時点で980円。
※2024年9月補訂:値上げを追記2014(平成26)年9月7日に購入した、伊東駅弁の掛紙。上記の2021年のものと、食品表示以外は同じ。容器も中身も同じ。
2002(平成14)年2月11日に購入した、伊東駅弁の掛紙。名前は異なるが、容器や中身は上記の駅弁「伊東温泉五目ちらし寿し」と同じだった。
伊東駅に2種類ある幕の内弁当の、高価なほう。せっかくふたと枠に経木を用いるのに中身はすべて半透明のトレーに収める勿体ない使い方の長方形の容器に、梅か桜かを描いた春らしい掛紙をかける。中身は変哲のない幕の内タイプだが、帆立の唐揚げや鯖切身の天ぷらといった珍しい食材が入り、鶏唐揚や海老を含めおかずの具が巨大な点に特徴が見える。価格は2002年の購入時で870円、2010年時点で950円、2014年時点で980円、2017年7月12日から1,000円、12月27日から1,020円、2020年3月から1,080円、2022年1月から1,100円の要予約商品で、12月28日から1,150円、2023年8月から1,180円、2024年時点で予約制の「特製幕の内弁当<てまり>」(1,250円)へリニューアル。
※2024年9月補訂:終売を追記伊東駅弁の価格面でのフラッグシップ。薄い木を巻いた円形の容器に、和の絵柄が華やかな掛紙をかける。中身は酢飯の上に玉子そぼろを振り、タイ数切れとシイタケやエビを貼り、クリ、とびっこ、サクラエビ、レンコン、レモン、甘酢生姜などを添えるちらしずし。常温の駅弁なのに酢や塩や油の力に頼ることなく、個々の素材の風味が感じられる。価格は2017年の購入時で1,050円、7月12日から1,080円、12月27日から1,100円、2022年1月から1,200円。容器の在庫の終了で、2023年1月9日限りで終売。
2003(平成15)年の訪問時点で2・3番ホーム上にあった駅弁売店は、2012(平成24)年時点では消えていた。しかし駅舎内で1番ホームと改札外の両方に面した立ち食いそば店は健在で、駅弁のラインナップはまったく同じ。昔懐かしいポリ茶瓶での緑茶の販売も残る。しかし、かつての集札口か団体専用改札口に面したと思われるこの売り場は、コインロッカーに囲まれてすっかり目立たなくなった。
※2023年1月補訂:終売を追記2012(平成24)年2月7日の調製である、伊東駅弁の掛紙。掛紙そのものは、下記の8年前と同じ。「ぼんかま」はこの和紙の掛紙にも味わいがあったが、この掛紙を作っていた京都の業者が廃業してしまい、2017(平成29)年に上記の掛紙に切り替わったのだそうな。中身と丸い容器は変わらない。
2003(平成15)年9月1日の調製である、伊東駅弁の掛紙。上記の2012年のものまでの間に、食品表示ががっつり強化されたが、それ以外は上記と変わらない。