新宿駅から特急列車で約2時間半。岡谷市は長野県の真ん中に位置する、人口約5万人の工業都市。諏訪湖に面したウナギと味噌の街でもある。駅弁は国鉄時代からの駅弁屋が2001(平成13)年に撤退、以後は2013(平成25)年頃まで塩尻駅の駅弁が売られたり、街おこしのウナギ弁当が売られたりしたが、今は何もない。1905(明治38)年11月25日開業、長野県岡谷市本町一丁目。
2005(平成17)年2月14日に、約3年半ぶりの岡谷駅の駅弁として発売。丼もの向けのプラ製の惣菜容器に、商品名や岡谷の名前をいくつか書いた掛紙をかける。中身は白御飯に、活鰻を背開きにして蒸さず備長炭で焼きあげたというウナギ蒲焼きを載せ、たれをかけて添えて、タクアンを添えるというシンプルなもの。味は皮と分量が並、身と価格が上という印象。
岡谷の商工会議所は、1995(平成7)年からウナギでの街おこしを目指している。かつて諏訪湖でウナギがよく獲れた名残として、岡谷市内にはウナギ屋が多いという。市内の魚料理屋の団体「うなぎのまち岡谷の会」で開発した弁当、といってもただの鰻丼であるが、JR駅のキオスクが駅弁化を要請し、こうして駅で商品化された。訪問時の岡谷駅では売店に写真を掲示するものの実物がなかったが、茅野駅で無事に購入できた。
駅弁の調製元である岡谷の割烹料理屋は、2016(平成28)年7月に破産した模様。この駅弁はいつまで売られたのだろうか。
※2017年6月補訂:終売を追記