新潟駅から特急しらゆきで約80分。柏崎市は新潟県中部の中越地方で日本海に面した、人口約8万人の宿場町。明治時代に西山油田で栄え、製造業の工業都市となり、世界最大の原子力発電所が立地する。駅弁は1902(明治35)年頃から1960年代過ぎまで売られ、幹線鉄道の主要駅にもかかわらず早くに消えた。1897(明治30)年8月1日開業、新潟県柏崎市駅前一丁目。
1929(昭和4)年5月15日の調製と思われる、昔の柏崎駅弁の掛紙。駅弁の名前は「港寿し」か、当時の駅弁で一般的な「御寿し」か。下記の「上等御辨當」とは逆に、佐渡島の方角から柏崎市街を眺めたような構図。米山のふもとの地名や鉄道を具体的に描く。
1927(昭和2)年12月19日の調製と思われる、昔の柏崎駅弁の掛紙。「佐渡」という文字の付記で、柏崎から日本海を経て佐渡島を見た風景と想像できる。柏崎市内の日蓮宗妙行寺の境外仏堂「番神堂」の絵柄も記載。
おそらく1920年代、大正10年代のものと思われる、昔の柏崎駅弁の掛紙。海に面した柏崎で、海らしい絵柄としたのだろうか。松と鳥を描く扇を重ねた。赤い部分はおそらく、過去の誰かの保管時に他の紙と重ねてインクが転移したのではないかと思う。柏崎駅では1902(明治35)年頃から1960年代過ぎまで駅弁が売られた。調製元の天京は、柏崎では名の通った旅館だったらしい。