東京駅から電車で約25分。横浜市は神奈川県の東部で東京湾に面した、人口約380万人の港町。東京の衛星都市として人口日本一の市であるほか、異国情緒とウォーターフロントで多くの観光客も集める。駅弁は、大正時代からの駅弁屋がコンコースやホーム上や駅周辺各地に駅弁売店を構え、「シウマイ弁当」は日本一売れる駅弁とされる。1915(大正4)年8月15日開業、神奈川県横浜市西区高島2丁目。
シウマイ弁当の復刻版で、これは2009(平成21)年6月から8月まで実施されたJRグループの観光キャンペーン「横浜・神奈川デスティネーションキャンペーン」に伴い、同年6月限りで横浜、桜木町、関内の各駅で販売されたもの。1954(昭和29)年の発売当時のものを再現し、掛紙のデザインは当時のもので、中身もおかずがタケノコ煮、ブリ照焼、かまぼこ、玉子焼、エビフライ、シウマイ4個と、その当時を再現しているという。価格と容器は通常版と同じで、掛紙には現行の形式で値段と食品表示と識別表示とバーコードも印刷されている。
※2012年5月補訂:解説文の統合高島屋横浜店の開店50周年を記念して、2009年9月に販売した記念弁当。同店の地下1階の食品売り場には崎陽軒が出店しており、そこでひっそりと販売されていた。掛紙の絵柄は下部に「高島屋横浜店の開店50周年記念」と追記してある以外は、東京都内で復刻版シウマイ弁当として使われるものと同じで、横浜では初めて入手できた。中身は復刻版ではなく通常版と同じ。
下記駅弁の翌年に買えた、復刻版シウマイ弁当。今回はJR横浜支社が管内の駅弁屋4社を集めて、2008(平成20)年1月26・27日に横浜駅西口で実施したイベント「どんどん食べて!!記念・限定駅弁フェア」で買えた。中身は同じだが、2007年3月の現行版シウマイ弁当の価格改訂が反映されている。今後も時々、イベントに出てくるのだろう。
2007(平成19)年1月の京王百貨店の駅弁大会で販売された復刻版シウマイ弁当。今回は掛紙のみならず中身まで、1954(昭和29)年の発売当時のものを復刻したという。シウマイは4個、玉子焼は今より厚く、エビフライとブリ照焼と蒲鉾などが入る。希望者には当時の復刻掛紙も配っており、ここには「等外米」「100円」の表示と左上への注意書きがある。
横浜駅弁は東京や神奈川の多くの百貨店食品売り場で常時販売されているが、催事場で売られるのは珍しい。復刻は食材に留まり、容器や添付物等の造作はもう一息ではあったが、駅弁イベントに彩りを添えた点は評価すべきである。また、東京工場でも経木の容器を扱えるようだ。