東京駅から新幹線で3駅35分。小田原市は神奈川県の南西部で相模湾に面する人口約19万人の城下町かつ宿場町。関東地方の西の出入口として、戦国時代や江戸時代に歴史の舞台となった。駅弁は明治時代に国府津駅で創業した、東海道本線では最古の駅弁屋が健在だが、実態はJRや小田急の子会社が近隣のものを含めた駅弁を集めて売る。1920(大正9)年10月21日開業、神奈川県小田原市栄町1丁目。
2024(令和6)年3月1日に小田原駅などで発売。スリーブでは「うなぎと金目鯛と銀鮭」が目立ち、レシートには「味わいのっけ弁当」と書いてあった。長方形のプラ容器に茶飯を詰め、うなぎと金目鯛と銀鮭を載せ、錦糸卵、れんこんのきんぴら、広島菜漬も載せ、しいたけやちくわなどの煮物と、ゆず大根と小梅の漬物を添える。「うなぎ、金目鯛、銀鮭、3種類のお魚を存分に味わって頂きたいです」と調製元がSNSで発信したとおり、しっかりした味付けでその3種をおかずに飯が食える。下記のとおりキンメダイを含めた3種の具をうたう小田原駅弁が乱発されており、その中には「うなぎ、金目鯛と銀鮭のあいのせ御膳」というものもあり、印象が重なる感じは受ける。
2022(令和4)年7月16日に小田原駅などで発売。容器の3区画に茶飯を詰め、そのそれぞれに銀ダラの西京焼きと刻み海苔と梅干し、キンメダイの照り焼きとワラビ煮と酢れんこんとはじかみ、煮穴子と錦糸卵を載せる。5月に終売の下記「甘鯛と金目鯛と穴子の合いのせ膳」の、甘鯛を銀ダラに置き換えて値上げして新商品にしたものだろう。引き続き魚介類で3種のミニ丼が味わえる、御飯と御飯と御飯のお弁当。2023年8月限りで終売の予定。
※2023年8月補訂:終売予定を追記2014(平成26)年の秋に発売か。2016(平成28)年10月からのJR東日本の駅弁キャンペーン「駅弁味の陣2016」では、熱海駅の駅弁としてエントリー。茶飯をキンメダイの西京焼き2切れと、シイタケ、フキ、ニンジン、レンコン、高菜、錦糸卵で覆い、ひじき煮と大根つぼ漬を添える。
飯も魚も、コンビニでの冷蔵販売で冷たいのに、ふんわりとした味わい。そんな味に影響はないものの、駅弁らしいボール紙枠に収める安っぽいプラ製容器はともかく、メインの金目鯛は公式サイト写真の半分程度の大きさにしか見えず、散らす具は乱雑で、見栄えの工夫がもっと欲しいところ。価格は2016年の購入時で950円、2022年6月16日から1,050円、2023年6月から1,100円。
※2023年8月補訂:値上げを追記2006(平成18)年7月の発売。小田原駅伝統の駅弁「小鯵押寿司」と、2005年発売の「金目鯛炙り寿司」を4個ずつ入れて、しそ巻き御飯と広島菜巻き御飯も1個ずつ詰めて、おろししょうが、甘酢生姜、ねりわさび、醤油を添える。見栄えはおとなしいのに中身は盛りだくさん。風味は両者の評判どおり。価格は2011年時点で1,300円、2014年時点で1,350円、2022年6月16日から1,450円。
※2024年8月補訂:写真を更新2011(平成23)年12月16日に購入した、小田原駅弁のふた。絵柄や内容は、上記の2024年のものと変わらない。この当時は炙り金目鯛と小鯵押寿司が1個ずつ多く、そのため容器が縦に少し長い。
2006(平成18)年10月8日に購入した、小田原駅弁の包装紙。当時は上記の2011年のものと違い、容器を包装紙で包んでいた。中身と価格は変わらない。
2021(令和3)年7月に発売、10月にJR東日本の駅弁キャンペーン「駅弁味の陣2021」にエントリー。容器の3区画すべてに茶飯を詰め、甘鯛の塩焼きに柚子胡椒と梅干し、煮穴子とタレと錦糸卵、金目鯛の照焼きにハスとワラビとはじかみを載せる、御飯と御飯と御飯の内容。3種の魚介類の香りと、それらを引き立てる味付けと付合せと御飯の協調が印象的で、列車内でなくても、駅弁でなくても、おいしくいただけるお弁当だと思う。スリーブには中身の写真と3種の食材を描いた。2022年5月限りで終売。
※2022年6月補訂:終売を追記2021(令和3)年10月5日に購入した、小田原駅弁のスリーブ。上記の駅弁「甘鯛と金目鯛と穴子の合いのせ膳」の購入10日後で、中身などは何も変わらない。JR東日本の駅弁キャンペーン「駅弁味の陣2021」へのエントリーに伴い、それを示すシールを貼り付けたため、金目鯛の姿が隠れてしまった。
駅弁の名前のとおり、小田原駅弁「金目鯛炙り寿司」のハーフサイズ版。幅を半分に細長くしたような容器に、通常版は7個入りのキンメダイ押寿司を4個と、通常版と同じ1個のしそ巻きを、玉子焼とともに並べる。通常版もこのハーフ版も、現地でも現地以外でも、なかなか見掛けない気がする。2022年1月にフルサイズが終売なので、こちらも終売か。
※2022年3月補訂:終売を追記2018(平成30)年10月の新作か。浅い容器に茶飯を敷き、キンメダイのおぼろで覆い、キンメダイの照焼と西京焼と有馬煮、玉子焼と奈良漬とわさび漬を載せる。同時期に発売の下記「金目DE鯛めし」など、これによく似た駅弁を小田原や東京でよく見ている気がするが、駅弁として安定感のある内容ではないかと。値段はずいぶん高くなった。半年間ほどの販売か。
※2021年10月補訂:終売を追記2018(平成30)年10月1日の発売か。掛紙に調製元の130周年記念とあり、同日にJR東日本の駅弁キャンペーン「駅弁味の陣2018」にエントリー。中身は現在の小田原駅で伝統の駅弁「鯛めし」にキンメダイを取り入れたようなもの。茶飯をキンメダイのおぼろで覆い、キンメダイの西京焼と有馬煮を載せ、じゃこ天、玉子焼、ちくわ、かまぼこ、小梅、ゆず大根漬を添える。
3年半前の「駅弁130周年記念金目鯛めで鯛めし」にそっくり。当時は駅弁130年、今回は駅弁屋の130年。現在は小田原駅の駅弁屋である東華軒は、1888(明治21)年に国府津駅で駅弁を開始。鉄道の敷設に協力した旅館に、当時に鉄道を直営していた国が構内営業の許可を出したもの。半年間ほどの販売か。
※2020年4月補訂:終売を追記2016(平成28)年の1月か2月に発売。パッケージの写真のとおり、容器の3区画に銀鮭西京焼丼、うなぎ丼、キンメダイ煮付け丼を並べる。このとおり御飯だらけ、御飯物だけの駅弁であるが、そんなに大量でなく、いろんな魚を味わえるという点で希少な個性を備える。発売時点で小田急時刻表に単独広告を出すなど、調製元一押しの駅弁。なお、今回は東京駅の駅弁売店での実演販売で購入したため、食品表示ラベル上の製造者が東華軒でなく日本レストランエンタプライズになっている。価格は2016年の購入時で1,100円、2022年6月16日から1,230円。2023年8月限りで終売の予定。
※2023年8月補訂:終売予定を追記2010(平成22)年10月9日から11日まで東京駅で開催された「第12回東日本縦断駅弁大会」までに用意された新作。総プラスティック製の釜型容器を使用、商品名とキンメダイやエビを描いたボール紙製の赤い掛紙をかける。中身は茶飯の上にキンメダイの漬け焼きとサクラエビの炒り煮を置き、玉こんにゃく、シイタケ煮、タケノコ、レンコンを添え、わさび味噌を付けるもの。
確かに内容は駅弁の名前どおりで、駅で買えるのならば定番品に負けないおいしい食事にできそう。ただし、駅弁大会のプレスリリースに掲載された写真では、容器が陶製であった。2013年頃までの販売か。
※2015年9月補訂:終売を追記2008(平成20)年までに発売か。長方形の容器に、駅弁の名前をシンプルに書いた赤い掛紙を巻く。中身は混ぜ御飯の上にキンメダイの切り身の焼き物を2枚貼り付け、ニンジンやサトイモなどの煮物、菜の花、柴漬け、川エビなどを添えるもの。御飯や魚はとってもとろける感じ。価格は2010年の購入時で980円、2015年時点で990円。2015年までの販売か。
※2019年8月補訂:終売を追記2008(平成20)年7月に発売。ボール紙製の楕円形の容器を、商品名や中身写真を描いたボール紙の枠にはめる。中身は白御飯の上にキンメダイの煮付けをどーんと置き、ひじきと大根漬と梅干とフキを添えるもの。
金目鯛は梅干と煮たそうだが、普通の煮付けと変わらない味。味はともかく雰囲気にやっつけ感のある家庭料理だが、キンメダイの駅弁など小田原と伊豆急下田にしかないし、寿司ではなく煮付けは初めてだと思うので、今後の競争やリニューアルで洗練されていくことが期待できる。2009年までの販売か。
※2015年9月補訂:終売を追記2005(平成17)年の発売。容器や中身は3年前に買った下記の、おそらく前作であろう「金目押寿司」と同じだが、金目鯛の表面は軽くあぶられており、掛紙のデザインを一新し商品名も変えて、ついでに価格も30円アップ。風味も含めて全体的にぐっと現代風になった感じ。価格は2006年の発売時や購入時で1,050円、2015年時点で1,250円。2022年1月に終売。
※2022年3月補訂:終売を追記小田原駅弁で名物である小鯵押寿司の、金目鯛バージョン。金目鯛色の包装紙に容器が包まれる。紙のふたを開くとトレーの上に金目鯛の押寿司が7個、しその葉を巻いた寿司がひとつ、みょうがを載せた寿司がひとつ入る。ふんわり甘い食感が、やはり上品だ。上記の駅弁「金目鯛炙り寿司」が発売された2005年までには終売となった模様。
1997(平成9)年8月24日8時の調製と思われる、昔の小田原駅弁の包装紙。上記の2002年に購入したものと同じ絵柄で、小田原駅弁「小鯵押寿司」のキンメダイ版という印象。