東京と日本の中央駅。東海道・山陽・東北・上越・山形・秋田・北陸の各新幹線、東海道・中央・総武・東北の各線、山手線や京浜東北線などの電車が、一日あたり3000本以上行き交い、100万人以上の利用者で終日賑わう。駅弁はJR東日本やJR東海の子会社のもので約100種類とも、エキナカの商品を含め400種類以上とも、デパ地下の弁当を含め1000種類以上とも言われ、さらに全国各地の駅弁も集まり、こちらも日本最大。1914(大正3)年12月20日開業、東京都千代田区丸の内1丁目。
2023(令和5)年10月1日の東海キヨスクとジェイアール東海パッセンジャーズ(JRCP)の合併によるJR東海リテイリング・プラスの発足を記念して、同日に東海道新幹線の東京、品川、新横浜、名古屋、京都、新大阪の各駅とリニア・鉄道館で発売。大きく細長い専用の紙箱には、そんな熨斗(のし)が直接印刷され、富士と旭日で賑やかな絵柄に3種のお肉の写真を添える。このスリーブに2個の丸い容器が仕込まれ、一方が茶飯を牛肉とタマネギの煮物で覆い白ごまを振る牛丼、他方がおかずで鶏照焼、鶏唐揚、鶏つくね、ゆで卵、味噌カツ、ふろふき大根、にんじん煮、花れんこん。東京が焼き鳥で、名古屋が味噌カツで、大阪が牛めし。これは東海道新幹線が結ぶ主要都市のことか、JRCPの駅弁の調製所がある3都市のことか。「肉まつり」のとおりのお肉だらけの内容に、駅弁らしくない大きくて柔らかいダイコンとニンジンも印象的。
1987年の国鉄分割民営化で、鉄道公傷者を救済する目的で駅売店を接収し1932年から営業を始めた鉄道弘済会と、全国の列車食堂会社を統合し1938年に設立され営業を始めた日本食堂も分割されることとなり、JR東海エリアでは東海キヨスクとジェイ・ダイナー東海(JD)ができた。これとは別に、JR東海が100系新幹線電車に設けた売店「カフェテリア」の営業と車内サービスの実施を目的に新幹線パッセンジャーズサービス(SPS)を設立し、1988年から営業を始めた。JDとSPSが2002年に合併してジェイアール東海パッセンジャーズ(JRCP)となり、この度JRCPと東海キヨスクが合併してJR東海リテイリング・プラスとなった。駅に駅弁売店があったりキヨスクがある風景は変わらないが、2023年10月限りで車内販売を全廃した、合併前の2021年8月から駅弁の食材を名古屋でまとめて調製し東京と大阪では盛り付けるようになった、という変化はある。同時期といえる2023年4月にJR東日本でも同じように、鉄道弘済会系と日本食堂系の会社を大合併しており、これがこの時点での鉄道付帯営業のトレンドなのだろう。
2022(令和4)年10月1日に、東京、品川、新横浜、名古屋、新大阪の新幹線各駅で発売。調製元のジェイアール東海パッセンジャーズはこの設立20周年の日に、自社で調製し販売する駅弁の新ブランド「車窓食堂」を発足、すべての駅弁にそのロゴマークを付けたうえ、東海道新幹線の車窓から眺める「山」と「海」の豊かな風景をイメージした二段重という新作の駅弁「二段重山鶏とだし巻卵」「二段重海金目と鯖の煮魚」を発売した。
これは「山」で、公式な宣伝文は「照り焼き、唐揚げ、つくね、鶏飯と、鶏肉の美味しさを存分に味わえる。ご飯は鶏飯と白米の2種類でボリュームのある一品。」。小柄で浅く簡素な正方形大のプラ容器をふたつ重ね、富士と漢字でブランドを描いたのだろう掛紙を巻く。中身は下段が鶏飯と白飯、上段がおかずで、ロゴマークの焼き印付き玉子焼、鶏照焼、鶏唐揚、鶏つくね焼、煮物3種、柴漬け。「山」というよりは「鶏」の、鶏づくし弁当。調味に加えて詰め方のおかげか、味はすっきり美しい。価格は2022年の発売時で1,100円、2024年時点で1,180円。
※2024年5月補訂:値上げを追記2024(令和6)年2月23日に購入した、東京駅弁の掛紙。調製元の「猫の日フェア」として、2024年2月6日から26日まで、既存の駅弁「二段重山鶏とだし巻卵」の掛紙を、ネコのイラストに差し替えて販売した。中身と容器と値段は同じ。玉子焼の焼き印は省略された。
2022(令和4)年10月1日に、東京、品川、新横浜、名古屋、新大阪の新幹線各駅で発売。調製元のジェイアール東海パッセンジャーズはこの設立20周年の日に、自社で調製し販売する駅弁の新ブランド「車窓食堂」を発足、すべての駅弁にそのロゴマークを付けたうえ、東海道新幹線の車窓から眺める「山」と「海」の豊かな風景をイメージした二段重という新作の駅弁「二段重山鶏とだし巻卵」「二段重海金目と鯖の煮魚」を発売した。
これは「海」で、公式な宣伝文は「だしと醤油でふっくらと煮上げた金目鯛の煮つけと、脂がのった鯖の優しい味わいの味噌煮が主役。ご飯は深川めしと白米の2種類、味付けの異なる2種類の煮魚が味わえる。」。小柄で浅く簡素な正方形大のプラ容器をふたつ重ね、波浪と漢字でブランドを描いたのだろう掛紙を巻く。中身は下段があさり御飯と白飯、上段がおかずで、キンメダイ煮付け、サバ味噌煮、玉子焼、がんもどき、梅干し、しいたけ、昆布佃煮、いんげん。
幕の内タイプの駅弁と考えると巨大な魚が2本も入る、お魚の、煮魚のお弁当。デパ地下で煮魚と御飯を買ってきたら同じものができそうで、惣菜が得意で駅弁では苦手な分野への挑戦に思える。タレや汁や脂が手指や掛紙やテーブルを汚さない、駅弁としての工夫があるのかもしれない。
2024(令和6)年2月23日に購入した、東京駅弁の掛紙。調製元の「猫の日フェア」として、2024年2月6日から26日まで、既存の駅弁「二段重海金目と鯖の煮魚」の掛紙を、ネコのイラストに差し替えて販売した。中身と容器と値段は同じ。
2020(令和2)年8月6日に、東京、品川、新横浜、名古屋、新大阪の新幹線各駅で、650円にて発売。京都駅の人気カレー店「スパイシーマサラ」のカレーを使用したカツカレーサンドだといい、サンドイッチ向けプラ容器にそんなカツサンドが、トンカツのカレーソース漬けにキャベツのカレーソース煮を耳なし食パンで挟んだサンドイッチが3切れ入る。粘りのあるカレーの味わいと辛さを少しだけ感じる、カツカレーサンド。価格は2023年時点で750円。
JR京都駅で新幹線と在来線の敷地に挟まれ隠れる、小さく黄色いカレー店「スパイシーマサラ」は、他人事でなく調製元の直営店であり、ここ1店舗だけのお店。昔の国鉄駅構内営業や列車内のビュフェのようなカウンターで、かつて新幹線の食堂車で提供されたカレーライスを食べられる、昔懐かしいカレー店。今のスープカレーやココイチなどにはない、昭和の懐かしくコクのあるカレーライスを約10種取り揃え、昭和のおじさんが出張や旅行でわざわざ食べに来る、終日満員の京都駅で物理的にも知名度的にも隠れたお店。在来線改札内と改札外から利用できる。
鶏唐揚の、甘辛たれ和え2個と、塩胡椒味2個を、透明なプラ容器に収めたお惣菜。駅弁屋が調製し、駅弁売り場で売られ、調製元の店名「DELICA STATION」(デリカステーション)のシールを貼るため、駅弁の一種に見えてくる。横浜駅のシウマイほど有名になれば、駅弁に単品のシウマイを買い足すという客も現れるが、ここの唐揚弁当はきっとそうでもないだろう、これはおつまみとして使われると思う。冷めたり冷たくても大丈夫な、駅弁の味を備える。
駅弁売り場で買えたおにぎり。ツナフレークのマヨネーズ和えを三角形の白飯に仕込み、海苔入りフィルムで巻く内容は、日本全国5万店以上のコンビニエンスストアで必ず売られるツナおにぎりと同じ。味も値段も差異は無い。過去には鉄道にちなむ絵柄を持っていたが、この時点では何もなし。駅弁とまったく同じ場所で作り、売られることは変わらない。
2020(令和2)年12月3日に東海道新幹線の東京、品川、新横浜、名古屋、京都、新大阪の各駅で発売。茶飯を海苔で覆い、ホタテ煮3個とカキ煮5個で埋め尽くし、玉子焼と野沢菜と柴漬けを添える。これほど巨大なカキを使う駅弁を、他に見たことがない。ホタテを含め、タレの味が強く、身の風味は弱めで、都会風の味。予定数量が無くなり次第販売終了とする。以後も12月から1月頃まで販売する冬季限定商品として売られる。
※2022年9月補訂:現況を追記21世紀の初日である2001(平成13)年1月1日に「21世紀出陣弁当」の名前で発売。2000年7〜8月に当時のジェイ・ダイナー東海が「東海道新幹線21世紀私の食べたい駅弁コンテスト」で公募した応募作品について、大人の部でグランプリ賞を獲得した作品を商品化したもの。当初は3月までの期間限定販売の予定が、好評のためレギュラー入りした。
竹皮編み柄のボール紙製容器に、駅弁の名前や日の丸などを力強く描いた掛紙をかける。中身はしそわかめ2個と黒米1個のおにぎりに、ブリ照焼、味噌田楽、薩摩揚、みそかつ、味付玉子、黄金焼きのしいか、野菜の炊き合わせ、栗甘露煮、昆布巻、漬物。必勝や出陣ということで、縁起を担ぐ食材を取り入れたそうな。2011(平成23)年1月に「必勝出陣弁当」へ改称。価格は2017年の購入時で1,050円。2018(平成30)年限りで終売か。2021(令和3)年8月2日に980円で再発売、価格は2022年時点で1,000円。
※2022年4月補訂:再発売を追記2008(平成20)年7月9日に発売。赤いトレーを収めた長方形の発泡材製容器にラップをかけて、箸袋を置いて商品名を描いた紙フタをした後に、まるごとラップで包む。中身は日の丸御飯に漬物を添え、一枚肉5切れのトンカツにソースとマスタードを添え、キャベツとレモンを置くもの。名前のとおりの内容で風味は並。定番商品向けとして間違いのない内容と価格を備える。2015年の夏までに「厚切りロースとんかつ弁当」へリニューアルし、2022年1月27日に1,030円へ値上げ。
※2022年4月補訂:値上げを追記2008(平成20)年8月17日に購入した、東京駅弁のふた。上記の2014年のものと変わらないように見えて、側面での駅弁の名前の有無に差があった。容器と中身はまったく同じ。
おそらく東京や新横浜など東海道新幹線の主要駅で販売されると思われる、JRCP扱いの柿の葉寿司。経木枠の長方形の容器にボール紙の木目蓋をかけて、中身の飾り付け例のカラー写真を載せた包装紙で包む。中身は商品名のとおり、サバとマスの柿の葉寿司。しかしずいぶんと塩辛かった。
包装紙記載の製造元は、全国各地の百貨店に柿の葉寿司の店舗を構えたり、JR東海や近鉄の主要駅に商品を卸す、どちらかといえば地元密着より遠隔地展開タイプの柿の葉寿司屋さんか。スーパーの駅弁催事でも買ったことがあるが、なぜか会社名が異なる。
おそらく東京や新横浜など東海道新幹線の主要駅で販売されると思われる、JRCP扱いの柿の葉寿司。焼サバと鮭の柿の葉寿司を3個ずつの中身を和紙風シートで包み、白いボール紙箱を掛紙で巻く。同時に購入し食べた上の商品は塩辛かったが、こちらはそうではなく見た目のままの普通の味。
パッケージもまるで異なるし、同じ業者の商品とは思えないくらいの差異がある。製造者の所在地の上北山村は、いくら保存が利く商品でも東京や横浜に輸送するには時間がかかりすぎるはず。どこかでOEM生産して、その委託先が異なったのかなと、勝手に想像した。そういうタイプの駅弁は、駅弁大会に出てくる商品には少なくないという。
現在の名前になったのは、2005年かそれ以前か。昭和時代から東海道新幹線の主要駅で手広く売られるサンドイッチで、過去には車内販売や東海道本線の寝台特急でも販売された。中身はここでは、コーン入りツナサラダとロースハム、玉子サラダ、レタスと鶏照焼、鮭入りポテトサラダ、キャロットオニオンサラダとパストラミビーフの5切れ。様々な具が入るので、コンビニのサンドイッチにはない非日常感も味わえるだろう。価格は2012年時点で670円、2014年4月の消費税率改定で700円、2022年1月27日から730円。、2024年時点で780円。
※2024年8月補訂:写真を更新2012(平成24)年9月16日に購入した、東京駅弁のシール。当時は「Tokaido Shinkansen SANDWICH」と調製元のロゴマークが描かれた専用のシールを貼っていた。中身の変化もあるだろうが、使われ方が変わるわけではない。
2021(令和3)年6月10日に初めて販売した、夏の季節限定商品「あなごめし」。今回は2023(令和5)年6月22日に発売、7月31日まで東海道新幹線の東京、品川、新横浜、名古屋、京都、新大阪の各駅とリニア・鉄道館で販売。併せて弁当1つにつき、伊右衛門緑茶が20円引きかアサヒスーパードライが50円引きで買えるキャンペーンも実施した。
四角い容器に醤油たれ御飯を詰め、焼穴子煮で覆い、花椒(ホアジャオ)入り醤油たれをかけ、たくあん漬と花椒入り山椒を添える。山椒より辛い香辛料である花椒の使用が特徴。たれ飯と焼穴子とたくあんしか入れない、これ以上削りようがない没個性の内容に、花椒の香りで個性を加えた、新幹線の列車内で食べやすいお弁当。
上記の駅弁「あなごめし」の2022(令和4)年版で、6月23日から7月31日まで東海道新幹線の東京、品川、新横浜、名古屋、京都、新大阪の各駅で販売。併せて弁当1つにつき、特定の500mlペットボトルのお茶1本が50円で買えるキャンペーンも実施した。こうして8月にも買えた。ふたの絵柄も中身も味も、2023年のものと同じ。価格は1,280円で、当時はまだ「車窓食堂」ブランドがなかった。
※2023年8月補訂:新版の収蔵で解説文を手直し2020(令和2)年7月1日に東海道新幹線の東京、品川、新横浜、名古屋、京都、新大阪の各駅で発売。葛飾北斎の赤富士と神奈川沖浪裏を使うふたには、発売日にデビューしたN700S新幹線電車のイラストが載り、箸袋にはその走行写真を、ふたの裏には一般客向けの範囲を超えるスペックを掲載するので、まるでN700Sデビュー記念弁当のように見える。
中身は黒米の赤飯に釜揚げシラスや錦糸卵やイクラやアサリなどを載せて富士山を描き、その左側でタコやカボチャの煮物やたこ焼きで大阪をイメージ、右側で赤魚醤油焼やアナゴ天ぷらや玉子焼で東京をイメージしたとするもの。釜揚げシラスは愛知産。中身でも新幹線の経路で東京と大阪を結ぶ。価格は2020年の発売時で1,380円、2021年1月に1,180円に値下げ。駅弁の単純な値下げは、極めて珍しい。2022年5月頃までの販売か。
※2022年9月補訂:終売を追記2020(令和2)年8月1日に東海道新幹線の東京、品川、新横浜、名古屋、京都、新大阪の各駅で発売。白飯を豚肉で覆い、キャベツの酢の物と煮玉子を添えた、シンプルな豚丼。豚肉に「どんぐり等自然の産物を食べて育ったイベリコ豚最高ランクである希少なベジョータを使用」したといい、これを「にんにくが効いた塩味」と「赤ワインが隠し味の醤油味」で詰めたという。東京駅グランスタダイニングのものより、身厚かつ淡泊な印象。ふたにスペイン国旗の色遣いや「FromSpain」の文字が見える。2021年10月頃までの販売か。
※2022年9月補訂:終売を追記2012(平成24)年3月の東海道新幹線300系電車引退に合わせて、「ありがとう300系引退記念メンチカツサンド」の名称で、同年の2月15日から3月16日まで販売、これが後にレギュラー入りしたもの。といっても、東海道新幹線やJRCPのカツサンドは過去に出ていたと思う。中身は肉やキャベツを荒く切ったメンチカツをパンに挟んだサンドイッチが3切れ。スーパーやコンビニより高価で、ブランド品より安く、こういう位置のカツサンドがあってよい。2017年時点で「牛メンチカツサンド」580円になっている模様。2017年か2019年に終売か。
※2020年12月補訂:終売を追記上記の駅弁「必勝出陣弁当」の、2011(平成23)年時点での姿。当時は、そして「21世紀出陣弁当」の頃は、容器は竹皮柄でなく、本物の竹皮編みだった。それでもジェイアール東海パッセンジャーズ(JRCP)の商品としては珍しく、掛紙の使用を堅持している。トコブシが入るなど中身も少し異なるが、雰囲気は同じ。この頃は通年でなく断続的な販売だったと思う。
※2019年3月補訂:新版の収蔵で解説文を変更上記の駅弁「必勝出陣弁当」の、2003年時点での姿で、発売当時の姿。掛紙は駅弁の名前を墨字で描き、謹製の判とコンテストの名前を記すだけのシンプルな絵柄だった。中身は握り飯が3個にブリ照焼、とこぶし、味噌田楽、鶏唐揚、栗甘露煮など。お手拭きと楊枝も同封した幅広な箸袋に、光沢紙使用のお品書きも入る。「トコブシ」「栗」「昆布巻き」は出陣にちなんだという。
※2019年3月補訂:新版の収蔵で解説文を変更2009(平成21)年春の季節弁当で、おそらく東京・品川・新横浜・名古屋・京都・新大阪の各駅と東海道新幹線車内で販売。弁当名のとおり、正方形の容器を対角線で仕切った中身の1/4が山菜の載る五目御飯、1/4がタケノコや桜花の載る竹の子御飯、残りがおかずで鮭塩焼、笹巻麩、薩摩揚、肉団子、サトイモやニンジンなどの煮物、タラの芽の天ぷらなど。
駅弁は少量でまずくて高いと思っている人は納得しないだろうけど、少量ながらかなりいろんなものが入っており、ちょっと軽めの一食として十分な満足感があるはず。山菜弁当と呼んで良さそうな、野菜と山菜がたっぷりのお弁当。JRCPのこういう弁当に地域性やローカル色はないのだが、パッケージの絵柄はうまく決まっていると思う。同じ名前と違う中身で、以後も毎春に出した模様。2016年までと2018年でおしまいか。
※2020年12月補訂:終売を追記2007(平成19)年に冬季限定弁当で発売か。今回の2008年度版は、楕円形状の容器に透明なふたをして、同一形状で賑やかな絵柄のボール紙の枠にはめ、ラップに包んで食品表示ラベルを貼る。中身は炊込飯の上にブリ照焼、イカ照焼、貝柱、カニフレーク、ボイル海老、イクラ、シジミなどを載せるもの。
どちらかといえば夕食向け。見た目こそ具の節約で余ったすき間を紅生姜や錦糸卵で隠しているようだが、中身はしっかり詰まり、飯に対する具の分量は適切で、味もまあ良い。パッケージの食材のイラストと中身の一致は、JRCPのお家芸であるような。2010年度版から「冬の大漁御膳」と名を変え、同じ名前と違う中身で、以後も毎冬に出た模様。2016年までの販売か。
※2020年12月補訂:終売を追記2005(平成17)年6月1日から9月14日まで、東京・品川・新横浜・名古屋・京都・新大阪の各駅と東海道新幹線車内で販売された、JRCPの季節駅弁の2005年の夏バージョンで、駅弁では珍しいハモのお弁当。以後も
角の丸い長方形の容器に、掛紙を兼ねた紙ぶたをかけてラップで包み食品表示ラベルを貼る。中身は一言ではも重。はものエキスで炊いた御飯の上に、弾力性のあるハモの蒸し焼きを約8切れ載せて、ゴボウや生姜などを添える。身にかけずに別添する専用のタレが、御飯やハモに合っている。
2014(平成26)年の春までに東京・品川・新横浜・名古屋・京都・新大阪の各駅で発売か。白飯には錦糸卵と豚蒲焼2枚を載せ、おかずはロースカツ2切れ、メンチカツ1個、コロッケ1個、スパゲティ、カリフラワーとブロッコリー、パプリカ2枚、キャベツ酢漬け。パッケージの表面と裏面にあるとおり、ロースカツにはアンデス高原豚、メンチカツには熟成牛とイベリコ豚、コロッケには黒毛和牛と羊蹄山麓馬鈴薯が使われるという。朝飯にして失敗した、揚げ物だらけのがっつり駅弁。2016年までの販売か。
2013(平成25)年4月3日から6月上旬まで、東海道新幹線のぞみ号停車駅、つまり東京・品川・新横浜・名古屋・京都・新大阪の各駅で販売された期間限定駅弁。奈良県の興福寺が監修したといい、掛紙にはその貫首である多川氏の直筆による「心」の題字が描かれる。
中身は精進ふりかけの俵飯、たらの芽の天ぷら、豆腐と海苔の蒲焼きもどき、ナスとコンニャクの田楽、湯葉やカボチャや桜麩などの煮物、ワラビ白和えなど。肉も魚も使わない精進料理になっており、おかずに困る弁当であり、甘味が多かったり、煮物が心地良い駅弁でもあった。
これは廉価版の幕の内駅弁なのだろうか、駅弁としては大きめな、JRCPでは標準サイズの専用紙箱に入った黒いトレーの中に、とりそぼろと錦糸卵と鶏照焼を載せた白御飯、エビフライ、玉子焼、鮭塩焼、しゅうまい、シイタケやゴボウなどの煮物、シラタキ白和え、漬物などを詰める。同社の千円以上の駅弁とあまり変わらない分量と内容だと思う。現存しない模様。
※2017年9月補訂:終売を追記とりそぼろと錦糸卵、おぼろとボイルえび、鮭フレークといくらの、おにぎりというより軍艦巻が各1個と、鶏照焼やシメジを載せたタケノコやニンジンなどの炊込飯、こんにゃくやごぼうなどの煮物、玉子焼などを、小柄な長方形の容器に詰める。具の種類は多いが、飯ばかりだし高価だとは思う。車内販売で幕の内でも名物駅弁でもない弁当を積んでいる(というより、これしか選択肢がなかった)のは珍しいと思った。2015年までの販売か。
※2017年9月補訂:終売を追記2012(平成24)年7月に、東京・品川・新横浜・名古屋・京都・新大阪の各駅と東海道新幹線車内販売で発売。新神戸駅弁から遅れること1年弱、こちらはJR東海の100%子会社が、新幹線電気軌道総合試験車の駅弁を出してきた。
車両を模してはいるがずいぶん平べったいボール紙製容器の、引き出しに収まる黒いプラ製トレーに、たっぷりのオムライス、ウインナー、ハンバーグ、フライドポテト、エビ焼売、スパゲティ、ブロッコリー、みかんゼリー、福神漬などを詰める。つまり、中身は一部を除きお子様ランチ。割り箸とプラ製スプーンの双方を添付し、親子で一緒に車内で食べられる。駅での販売は2013年に終わり、以後は名古屋市の「リニア・鉄道館」の館内弁当として売られている模様。
923形新幹線電気軌道総合試験車は、JR東海とJR西日本が同じものを1編成ずつ所有。両者はまったくと言ってよいほど同じものであり、前者がT4編成、後者がT5編成という名で社内管理されている。商品化許諾の関係で、JR東海が出せば「T4編成」、JR西日本が出せば「T5編成」と明記する。こちらはもちろんT4編成。
※2017年9月補訂:終売と現況を追記2010(平成22)年6月3日に夏季限定商品として発売したというが、同じ名前の商品は過去に出ている模様。紙と木でできた円形の容器に透明な上げぶたをして、商品名や宣伝文句を書いた黒いボール紙の枠にはめる。中身は白御飯の上に豚肉の味噌焼を貼り、ピーマンや青唐辛子や生姜酢漬で彩り、枝豆入りポテトサラダ、玉子焼、ぜんまいを添えるもの。その名のとおりのスタミナ弁当。例によって東京・品川・新横浜・名古屋・京都・新大阪で東西約500kmの範囲における共通商品。8月頃までの販売か。
※2017年9月補訂:終売を追記2008(平成20)年の秋頃に発売か。黒いプラ製トレーを、商品名とカツの名を大きく大きく書いたボール紙の箱に詰め、ラップで包んで食品表示ラベルを貼る。中身は日の丸御飯に、牛メンチかつ、チキンかつ、豚ひれかつのカツ3種4個を合わせ、キャベツ炒めと柴漬けとレモンを添えるもの。しかしチキンカツとヒレカツの風味がほとんど同一で、実際は2味カツ。専用紙箱に入った惣菜弁当といった印象で、その点では味を裏切らない。東京・品川・新横浜・京都・新大阪の各駅で販売し、名古屋では売らないのは、みそカツの本場に遠慮したか。2010年まで販売か。
※2017年9月補訂:終売を追記長方形の発泡材製容器にラップをかけて、山椒とタレと箸袋を置いて、商品名だけを描いた紙フタをした後に、まるごとラップで包む。中身はアナゴの煮汁の炊込飯にアナゴ蒲焼を少々、それをタレでぐちゃぐちゃにしたものを大量に載せて、生姜を添えるもの。くどくてしつこい味付けだが、アナゴの分量では全国一なのではと思う。東京・品川・新横浜・名古屋・京都・新大阪の各駅と東海道新幹線車内での販売。現存しない模様。
※2017年9月補訂:終売を追記2006年12月1日から2007年2月28日まで、各駅と車内で販売された季節限定弁当。正六角形の容器に商品名を描いたボール紙のふたをはめて、ラップで包んで食品表示ラベルを貼る。中身はカニほぐし身にグリーンピースと刻み椎茸を添えた御飯と、イクラに錦糸卵と鮭フレークや錦糸卵やガリを詰めた御飯で半分ずつ。
値が張るぶんだけ、風味と品質が良いと思うお弁当。しかし来年の今頃にはまったく別の弁当に化けているだろう。車中食としては悪くなく、駅弁やその文化の構成者としてはやはり良くない。ただ今回初めて、関東では新幹線改札内でしか購入できない駅弁タイプのJRCP商品が、今までは惣菜弁当やサンド・おにぎりのみ扱った改札外の弁当売店での販売を見ることができ、この措置は悪くない。冬季に限り、2010年までの販売か。
※2017年9月補訂:終売を追記