浅草駅から東武特急りょうもう号とわたらせ渓谷鐵道を乗り継いで3時間前後。群馬県みどり市内で、渡良瀬川に面して草木ダムを前にした山間の駅であり、富弘美術館の最寄り駅。駅のホームに東武特急の廃車体を使った、鉄道会社直営の食堂があり、ここで駅弁を調製し販売する。1912(大正元)年9月5日開業、群馬県みどり市東町神戸。
わたらせ渓谷鐵道のトロッコ列車の車内で販売されるお弁当。神戸駅にある鉄道会社直営のレストラン「清流」で調製されるため、そこで買うこともできる。「トロッコわたらせ渓谷号」の走行写真を印刷した専用のボール紙箱を使用、黒いプラ製トレーに収まる中身は、マイタケの混ぜ御飯にマイタケの天ぷら、トンカツ、しゅうまい、ごぼう鶏肉巻、マカロニサラダ、大根なます、山くらげなど。
これはつまり、マイタケのお弁当。マイタケの天ぷらは常温でなかなか油っぽいのだが、見た目のインパクトもある。下記の「やまと豚弁当」という後継作があるにもかかわらず、トロッコ列車の車内では、団体予約でこちらの弁当のほうが好まれていたと見える。写真にあるポリ容器入りのお茶(100円)は別売り。価格は2010年時点で900円、2014年時点で930円、2020年時点で1,000円。
トロッコわたらせ渓谷号は、1998(平成10)年10月10日に運転を開始。JR東日本から購入した中古の客車2両と、京王電鉄の通勤電車を改造したトロッコ車両2両を、やはりJR東日本から購入したディーゼル機関車が牽引し、大間々駅と足尾駅との間を約1時間半かけて走る。沿線は鉄道会社の名前どおり、渡良瀬川の渓谷に沿っており、秋の紅葉シーズンには予約が難しいほどの乗客で賑わう。
※2023年11月補訂:値上げを追記上記の駅弁「トロッコ弁当」の、2010(平成22)年時点での姿。同じような容器と内容であるが、パッケージの写真、黒いプラ製トレーの形状、マイタケを除く中身が、少し異なる。2012(平成24)年4月の新型トロッコ列車「トロッコわっしー号」の運転開始以後に、リニューアルしたのではないかと思う。当時はマイタケ御飯もマイタケ天ぷらも、容器のふたが閉まらないほどたっぷり入っていた。
※2016年6月補訂:新版の収蔵に伴い解説文を整理鉄道施設の登録有形文化財への登録を記念した観光ツアーの開催に合わせて、またはおそらく翌年1月の京王百貨店の駅弁大会での実演販売に向けて、2009(平成21)年12月13日に発売した、わたらせ渓谷鐵道の神戸駅弁かつトロッコ列車向け弁当の2作目。長方形の容器に透明なふたをして、表面に弁当の名前や列車の写真などを、裏面に沿線観光案内を印刷した掛紙を巻き、専用の手ぬぐいを添付する。長方形の容器に巻かれた掛紙には、表面にトロッコ列車の写真が、裏面に鉄道の登録有形文化財の一覧や沿線の名所などを描く。
中身は、白御飯を豚焼肉で覆い、醤油のタレをかけ、サツマイモの甘露煮とマイタケを添えるもの。タレの影響が強い豚丼で、肉は全体的には柔らかいものの固い筋が気になる。鉄道会社ではどうも、先発のトロッコ弁当よりこちらを推しているようだが、おそらく人気なのはトロッコ弁当のほうで、トロッコ列車に団体が乗り合わせると客はだいたいトロッコ弁当を食べている。価格は2009年の発売時で1,000円、2014年4月の消費税率改定で1,030円、2020年時点で1,100円。
※2023年11月補訂:値上げを追記2014(平成26)年10月17日に購入した、神戸駅弁の掛紙とてぬぐい。上記の2017年のものとの違いは、掛紙裏面で案内するフリーきっぷの値段だけ。てぬぐいの絵柄も異なる気がする。容器や中身や味は、2009年の発売時から変わらない。
2011年1月14日の調製である、神戸駅弁の掛紙。上記の2014年や2017年のものと、ほぼ同じ。厳密に比べると、3箇所ほど内容がアップデートされている。この駅弁の事実上のデビューの場である、京王百貨店の駅弁大会で購入。その際には手ぬぐいに加えて、桐生から間藤までの優待乗車証が添付されていた。実際に使う人は少ないのだろうが、1,000円の弁当に1,080円相当のきっぷが付くとは、ずいぶんと太っ腹だ。2012年度は年間で約1.3万個を販売したという。