仙台駅から普通列車で1時間半。南相馬市は福島県浜通りで太平洋に面する、人口約5万人の市。駅弁は過去には2社が、のち「丸屋」が駅舎内のそば店や、東北地方で唯一となるホーム上での立売で駅弁を販売したが、2011年の東日本大震災で構内営業を休止、復活の見込みはないと思われる。1898(明治31)年4月3日開業、福島県南相馬市原町区旭町。
JR東日本の観光キャンペーン「LOOK EAST」のオリジナル駅弁131種類のひとつとして、1989(平成元)年3月に発売か。楕円形の容器に同じ形の木目調の紙ぶたをかけて、昔ながらの潮干狩り風景を描いた掛紙で包み、紙ひもでしばる。中身は茶飯の上にアサリをたっぷり敷き詰めて、海老2尾や玉子焼やかき揚げなどを添えるもの。あさりごはんの駅弁は熊本と木更津とここだけか。軽く柔らかな食感と風味が特徴で、商品ではなくお弁当を食べているという感覚になれる。
この駅弁の掛紙にもあるとおり、原町(地名に「ノ」は付かない)の名物は昔も今も相馬野馬追。平将門の軍事訓練が起源とも言われ、毎年7月23〜25日に旧相馬藩の各地で催される一連の行事は、国の重要無形民俗文化財に指定される。
2011年3月の東日本大震災で、駅の駅弁と駅そばを休止。市販のJTB時刻表では「休業中」とするが、調製元はホテルを再開のち建て替え終えても弁当を作らないため、もう駅弁を売ることはないのだろう。
※2021年3月補訂:終売を追記かつて駅弁紹介本でよく紹介されていた駅弁。長方形の容器に経木のふたをして、漁の光景を描いた掛紙をかけて紙ひもでしばる。中身は6区画にも仕切られ、ホッキめしとかにめしと鮭めし(鮭はらこめし)と付け合わせを詰める。つまり、原ノ町駅弁の各種が凝縮されている。
2011年3月の東日本大震災で、駅の駅弁と駅そばを休止。市販のJTB時刻表では「休業中」とするが、調製元はホテルを再開のち建て替え終えても弁当を作らないため、もう駅弁を売ることはないのだろう。
※2021年3月補訂:終売を追記楕円形の容器に同じ形の木目調の紙ぶたをかけて、海と漁船とホッキ貝を描いた掛紙で包み、紙ひもでしばる。中身は茶飯の上に味付けホッキ貝の千切りをまぶし、海老2尾や玉子焼やかき揚げなどを添えるもの。ホッキ貝の駅弁は最近増えてきたが、ここのものは独特な味付けと手作り感が特徴で、商品ではなくお弁当を食べているという感覚になれる。
なお、本来の「アッツアッツほっきめし弁当」は1,020円で加熱機能付き容器を用いるが、これはそうではない。価格を920円に訂正しているので、掛紙を共用しているか、たまたま使ったのだろう。中身はおそらくどちらも変わらず、常温でも美味い。
2011年3月の東日本大震災で、駅の駅弁と駅そばを休止。市販のJTB時刻表では「休業中」とするが、調製元はホテルを再開のち建て替え終えても弁当を作らないため、もう駅弁を売ることはないのだろう。
※2021年3月補訂:終売を追記楕円形の容器に同じ形の木目調の紙ぶたをかけて、鮭と網を描いた掛紙で包み、紙ひもでしばる。中身は茶飯の上に鮭ほぐし身とイクラと椎茸をまぶした鮭めしに、海老2尾や玉子焼やかき揚げなどを添えるもの。鮭やイクラの駅弁などいくらでもあるが、ここのものは自然な風味と手作り感が特徴で、商品ではなくお弁当を食べているという感覚になれる。
なお、本来の「あつあつ鮭めし」は1,020円で加熱機能付き容器を用いるが、これはそうではない。価格を920円に訂正しているので、掛紙を共用しているか、たまたま使ったのだろう。中身はどちらも変わらず、常温でも美味い。
2011年3月の東日本大震災で、駅の駅弁と駅そばを休止。市販のJTB時刻表では「休業中」とするが、調製元はホテルを再開のち建て替え終えても弁当を作らないため、もう駅弁を売ることはないのだろう。
※2021年3月補訂:終売を追記正方形の容器を二段重ねにして、これをデザインもスタイルも古風な掛紙ですっぽり包み、割り箸とともにビニールひもでしばる。中身は下段が水気と風味がとても豊かな舞茸御飯、上段が海老に玉子焼にかぼちゃに笹蒲鉾に、インゲン胡麻和えにきんぴらごぼうなどとデザートに桃の缶詰。上段でありふれた料理の安心感を出し、下段でどこにもない個性を出し、全体で手作り感を演じる、価格と販売方法も昔懐かしい、駅弁としての名作。
原ノ町駅は2003年のデータで、一日の乗降客数が約4,400人。かつて頻繁に通過した東京圏と東北を結ぶ長距離列車も、東北新幹線の開業と延伸でほぼ消えた。そんな駅に駅弁が残り、それも立ち売りで複数種類が出ているのは、かなり奇跡的なことだと言える。
2011年3月の東日本大震災で、駅の駅弁と駅そばを休止。市販のJTB時刻表では「休業中」とするが、調製元はホテルを再開のち建て替え終えても弁当を作らないため、もう駅弁を売ることはないのだろう。
※2021年3月補訂:終売を追記長方形の容器を、水色の掛紙ですっぽりと覆う。中身は御飯の上にカニのペーストを載せ、椎茸と紅ショウガで飾るもの。このカニのペーストが、かにフレークとタケノコと胡椒その他を絶妙な分量で混ぜたもので、ほんのり御飯に溶け込む感じで味も風味も食感も抜群。カニ飯駅弁ながら、カニの風味が前面には出ていない、北海道・北陸・山陰地方のカニ飯駅弁のいずれにも似ない独特の駅弁。掛紙のデザインも風情があって良い。
2011年3月の東日本大震災で、駅の駅弁と駅そばを休止。市販のJTB時刻表では「休業中」とするが、調製元はホテルを再開のち建て替え終えても弁当を作らないため、もう駅弁を売ることはないのだろう。
※2021年3月補訂:終売を追記薄手の長方形ボール紙製パッケージの中に、ざるそばとポリ容器入りのめんつゆが入る。柔らかめの麺も美味いが出汁の効いためんつゆはもっと美味く、飲み干したくなるほど。
国鉄時代は御飯の入らない弁当は駅弁と見なされず、市販の時刻表にこの駅弁の名は記されない。国鉄がJRになり、今ではそんなしばりがなくなったのか、このざるそば駅弁の容器には駅弁マークがある。
2011年3月の東日本大震災で、駅の駅弁と駅そばを休止。市販のJTB時刻表では「休業中」とするが、調製元はホテルを再開のち建て替え終えても弁当を作らないため、もう駅弁を売ることはないのだろう。
※2021年3月補訂:終売を追記原ノ町駅の幕の内駅弁。ボール紙製パッケージにトレーを入れる、幕の内駅弁としてごく普通の容器に、笹蒲鉾と春巻と肉団子を除いて、幕の内駅弁としてごく普通の食材が詰められている。味は可もなく不可もなし。上記のように、ここには他に美味な駅弁があるので、この駅弁を積極的に選択する理由はなさそう。
2011年3月の東日本大震災で、駅の駅弁と駅そばを休止。市販のJTB時刻表では「休業中」とするが、調製元はホテルを再開のち建て替え終えても弁当を作らないため、もう駅弁を売ることはないのだろう。
※2021年3月補訂:終売を追記第二次大戦後まもない、1950(昭和25)年頃に誕生。正方形の容器の中身は、ざるそばと海老・ししとう・薩摩芋・椎茸の天ぷらに、国鉄時代に駅弁のお墨付きを得るために御飯物を入れたという一口サイズのいなり寿司がふたつ入る。コンビニで見かけるざるそば弁当に似ているが、こちらは50年以上の歴史を刻む大先輩。
2011年3月の東日本大震災で、駅の駅弁と駅そばを休止。市販のJTB時刻表では「休業中」とするが、調製元はホテルを再開のち建て替え終えても弁当を作らないため、もう駅弁を売ることはないのだろう。
※2021年3月補訂:終売を追記