北海道の中心地の中央駅。札幌市は明治2年(1869年)に開拓使が置かれたことで北海道の行政の中心地として発展を始めた、人口約196万人の道庁(都道府県庁)所在地。その札幌市を代表する駅として、道内各地への特急列車や空港駅への快速列車など、多くの列車が発着する。駅弁は1階コンコースや2階ホーム上の各地に置かれる売店で、早朝から深夜まで買うことができる。1880(明治13)年11月28日開業、北海道札幌市北区北6条。
2021(令和3)年9月に札幌駅で発売。商品名と中身の写真を描いたスリーブに収める、各地の釜飯駅弁でも使われるプラ製の釜型容器に、茶飯を詰め、道産鶏照焼、道産豚角煮の炙り焼き、道産牛肩ロース煮、しいたけ、にんじん、うずら卵、ふきなどで覆う。肉三昧ほどの分量がなくても、牛豚鶏でちゃんと3種類のお肉を使う、釜飯タイプの駅弁。それらの肉が大粒なので、このサイズを超えて豪快な印象を受けた。
北海道命名150年事業応援企画として2018(平成30)年4月10日に発売したものに次ぐ、札幌駅のイランカラプテ駅弁の第2弾として、2018(平成30)年9月20日に発売。「イランカラプテ」とは、アイヌ語で「こんにちは」の意味。今回は「ハスカップご飯と鹿肉弁当」の副題が付き、その名のとおりハスカップの実で染めた御飯を、鹿肉のタレ焼で覆い、昆布とカボチャを添えていた。そんな内容はアイヌ料理に由来するという。今回は大阪の駅弁催事での輸送販売だったためか、味がないうえに硬くなっており、おそらく本来の味をいただけなかったと思う。
2016(平成28)年10月11日に「ジンギスカンあったか弁当」とともに発売。長方形の加熱機能付き容器に白飯を敷き、タマネギ炒めで覆い、牛肉煮と牛焼肉を載せ、シメジ、ニンジン、ししとうで彩る。昔の北海道では肉の駅弁が珍しかったというが、今はこうして普通に売っている。本州の牛肉駅弁と同じような味がする。冬季のみ販売。価格は2016年の発売時や2018年の購入時で1,080円、2022年時点で1,100円。
※2022年4月補訂:値上げを追記2015(平成27)年10月1日の発売だそうな。下記の駅弁「ジンギスカンあったか弁当」の、加熱機能付き容器を使わないバージョン。ということで中身もほぼ同じで、白御飯を味付き羊肉で覆い、タマネギ、トウモロコシ、カボチャ、ピーマン、ニンジンで彩る。常温なので羊肉はかなり固くなるが、味付けを含め、食べられないほどでもない。電子レンジ対応の黒いプラ製容器の形状は、北海道のジンギスカン屋で使われる鉄鍋のそれを思わせる。
この商品は、デパートやスーパーの駅弁大会でのみ売られる疑義駅弁。購入時は調製元の公式サイトに商品の掲載があり、『※ジンギスカン丼は、駅弁大会オリジナルとなります。(札幌駅でのご利用時は、【ジンギスカンあったか弁当】をお買い求めください。』という注記があった。
札幌駅の駅弁売店でなくキヨスクで買えた、駅弁のようなお弁当。白御飯を牛焼肉とタマネギ炒めで覆い、グリーンピースで彩り、玉子焼と大根漬を添える。コンビニ弁当や惣菜弁当のたぐいだろうが、見栄えも中身も駅弁の王道を行く。冷蔵の味もそんなに悪くない。これで575円だから、駅弁と考えれば格安。
※2018年6月補訂:写真を更新2014(平成26)年1月2日に購入した、札幌駅弁の掛紙。上記の2018年のものと違い、当時の掛け紙は白く、容器の内側は赤かった。中身は同じ。
2014(平成26)年9月に旭川駅のキヨスクで買えたお弁当。同じものが札幌駅のキヨスクにもあった。長方形のプラ容器に白飯を詰めて豚焼肉で覆い、紅生姜を添えて商品名の掛紙を巻いたもの。肉もタレも本当にクセのない味は、スマートなお惣菜。
2008(平成20)年4月に発売か。トレーを接着した長方形の容器に透明なふたをして輪ゴムでしばり、駅弁の名前と知床の風景画を描いたボール紙の枠にはめる。中身は鶏肉とゴボウを混ぜた味付飯の上に「知床どり」の照焼、錦糸卵、シメジ、鮭カマボコなどを置き、ナス煮浸やヤマブキ煮などを添えるもの鶏肉は焼き鳥1本分だけなので見た目に不足するが、御飯の味付けで十分にカバーされている。
しかし、札幌から知床までは直線距離でも約300km、都市間バスで7時間以上かかり、夜行便が出るほど遠いのに、札幌駅で知床を名乗る駅弁が売られるとは驚いた。価格は2009年の購入時で880円、2016年時点で900円。
※2016年12月補訂:値上げを追記1997(平成9)年に発売。円形の加熱機能付き容器を、中身の写真を美しく載せたボール紙のパッケージに入れる。中身は白御飯の上にラムロース肉を敷いてタマネギ・ニンジン・ピーマン・カボチャを置く。駅弁なので出来立てではないのに、ラム肉に臭みも固さもないなど、札幌のビール園で観光名物となるジンギスカンの風味がよく再現されていると思う。価格は2005年の購入時で1,000円、2013年時点で850円、2016年時点で再び1,000円、2022年時点で1,100円。冬季限定発売と思われる。
ジンギスカンは昭和初期に日本で生まれた料理。国策で何度か羊肉消費が奨励され、北海道を除きほとんど定着しなかったものの、近年は調理技術の向上やヘルシー指向か小ブームが起きている感じ。2004年10月には北海道により「北海道遺産」第2回選定27件のひとつに選ばれた。
※2022年4月補訂:値上げを追記2012(平成24)年の発売か。札幌駅ほか道内各地の駅弁売店でなくキヨスクで売られる、駅弁のようなお弁当。白御飯を豚角煮3個、半身のゆで卵、カボチャ、れんこん、昆布佃煮、きんぴらごぼう、大根漬で覆う。まるで空弁のようにコンパクトかつ無臭で、豚角煮なのにスマートで控えめなお味。掛紙によると、1887(明治20)年入植から5代目の小樽っ子である、佐々木さんちのお母さんが作る角煮なのだそうだ。2015年頃までの販売か。
※2018年8月補訂:終売を追記札幌駅に昔からいたのではないかと思う駅売り焼売。楊枝ではなく割りばしを入れた赤いボール紙の箱に、プラ製の惣菜容器に敷き並べた11個の焼売が収まる。横浜駅や鳥栖駅のものとは違い、博多駅のものに似ている、スーパーでのチルド商品と同じように柔らかい、しかし常温でも食べて大丈夫な普通の焼売。残念ながら、2014年時点で終売とされる。
※2014年7月補訂:終売を追記2008(平成20)年10月の発売は、2008〜2009年の駅弁大会シーズンに向けたものだろうか。トレーを接着した長方形の容器に透明なふたをして、家具のような木目柄に金色で駅弁の名前を描くボール紙の枠にはめる。中身は北海道米ななつぼしの白御飯の上に、富良野ワインで煮た「ふらの和牛」もも肉を置き、カマンベールチーズフライやカボチャにナガイモ揚やピーマンを貼り、牛肉しぐれ煮と赤カブとタレを添えるもの。
容器に高級感と安物感が見栄えで同居するが、中身で北海道を演出し、白御飯を遠慮なく詰めて分量もそこそこ。食べて良かったと思える駅弁。名前から旭川駅の駅弁かと思ったら、札幌駅弁だった。札幌から富良野までは臨時特急で2時間弱、高速バスで2時間半強、旭川から富良野までは普通列車で1時間強。この駅弁は2012年までの販売か。
※2016年12月補訂:終売を追記札幌駅伝統の駅弁で、魚介類を使用した駅弁が幅を利かせる北海道内では珍しい、肉類が主役の駅弁。楕円形の容器に透明なふたをして、ボール紙の枠に詰めて箸袋を差し込む。中身は鶏飯にしめじ、栗、焼売、こんにゃく、うずらの卵、人参、鶏肉など。
鶏炊込飯だと思う茶飯にひとかけらの鶏肉も見えず、しめじめしに改称したらと思う、見栄えでの鶏の存在感のなさ。しかし中身の見た目の輝きが不思議と美しく、風味はやっぱり鶏肉のもの。ウニカニイクラホタテ他海鮮系でもタレ肉丼でもない駅弁は、ファンが付きにくいと思うが、安心と信頼を醸し出す。2008年4月の「北海道知床とりめし」発売により終売。
※2017年5月補訂:終売を追記2003(平成15)年5月に発売。前年10月に旅情報誌「じゃらん」北海道版で特集された9〜12月発売「短角牛弁当」のレギュラー入りらしい。赤いトレーを正方形のボール紙容器に収める。中身は北海道米ほしのゆめの御飯に、札幌産のタマネギと宗谷産の黒牛肉を載せ、日高産の昆布入り玉子焼など。パッケージの食べられてしまう牛が喜ぶイラストは、豚や鶏ではよく見るが牛では珍しいと思う。価格の「特別定価」とは何だろう。2013年時点で販売されていない。
北海道宗谷管内の7市町村と7農協で設立した第三セクターの社団法人宗谷畜産開発公社は、1990年に1,600ヘクタールの直営牧場「宗谷岬肉牛牧場」を開設し肉牛の生産に乗り出した。当初は多額の負債を抱えていたが、偽有機食品対策等で設けられた農産品の生産履歴に関する検査認証制度「全農安心システム」の認証第1号を2000年7月に受けるなどの有機畜産指向が功を奏し、そのブランド名である宗谷黒牛も徐々に認知されてきている模様。北海道の首都で駅弁になった。
※2013年8月補訂:終売を追記1978(昭和53)年12月30日13時の調製と思われる、昔の札幌駅弁の掛紙。ニワトリの絵柄を大きく使う、わかりやすいデザイン。「一枚のキップから」は、当時の国鉄の観光キャンペーン。