札幌駅から特急列車で約1時間半。旭川市は北海道の中央部に位置する、人口約33万人の軍都。稲作や蕎麦などの農業、家具その他の工業、買物公園に代表される商業、旭山動物園などの観光もさかん。駅弁は国鉄時代からの駅弁屋である旭川駅立売が店舗を持つほか、改札口付近の売店でも販売。東京など遠隔地での輸送や実演での販売もよく見る。1898(明治31)年7月16日開業、北海道旭川市宮下通8丁目。
2023(令和5)年9月に旭川駅などで発売か。丸いプラ容器に酢飯を詰め、甘えびをそこそこきれいに並べて覆い、菜の花と甘酢生姜も載せ、だし醤油を添える。下記の四角い「どっさり甘えび弁当」と、やってることはだいたい同じ。容器の底を工夫して内容量が控えめであることも同じ。「どっさり」と「たっぷり」の違いは、なんだろうか。この時点での法人番号検索では、2023年2月に旭川駅弁の旭川駅立売は釧路駅弁の釧祥館を合併し、旭川駅立売商会になったらしい。
秋冬の駅弁大会シーズンに向けた、2022(令和4)年秋の新商品か。「どっさり」が付く旭川駅弁で共通して使われる、内容量が控えめな正方形の紙箱に、酢飯を詰め、錦糸卵と甘えびで覆い、かんぴょうを仕込み、とびっこで彩り、甘酢生姜を添える。甘えび以外の具がまったく気にならない、甘えび丼。甘えびの駅弁、ホッコクアカエビの駅弁は、北陸や山陰に特有のものだと思っていたら、北海道の日本海側の増毛(ましけ)や羽幌でもよく揚がるといい、日本一の産地という宣伝も見られるから、そのエリアから最も近い駅弁販売駅である旭川駅にあって、おかしくない。
2019(令和元)年7月の発売か。正方形の容器に金色のボール紙で枠を厚めに取り、御飯を詰め、イクラで覆い、ガリを添える。こういう内容の駅弁は道内各地でも内地でもありがちなので、旭川駅としての個性はなくても、北の駅弁群としてあるべき商品だろう。今回は仕様なのか偶然か、いくらはイクラというよりは小粒で繋がる筋子のよう。価格は2019年の発売時や購入時で1,280円、2022年時点で1,450円。
※2022年4月補訂:値上げを追記秋冬の駅弁大会シーズンに向けた、2018(平成30)年秋の新商品か。正八角形の容器に炊込飯を詰め、蒸しウニとイクラ醤油漬、錦糸卵とガリで覆うもの。見た目も味も内容も、全国各地のスーパーやデパート、特に秋冬の週末の、都会のスーパーマーケットでよく見るタイプの北海道駅弁。現地での販売もある模様。価格は2019年の発売時や購入時で1,180円、2021年時点で1,280円。
※2022年4月補訂:値上げを追記2020(令和2)年1月の京王百貨店の駅弁大会で実演販売。2年前に同じ場所での実演販売で買えた下記の駅弁「ずわい華ちらし」と見た目で同じように、飯の上でズワイガニの棒肉を放射状に並べたもの。今回は具が省略され、錦糸卵とかんぴょうくらいしかない。見栄えがするので人気と思いきや、催事場では待たずに買えて苦戦しているように見えた。
2018(平成30)年1月の京王百貨店の駅弁大会と阪神百貨店の駅弁大会で実演販売。プラ容器に飯を詰め、ズワイガニの棒肉を放射状に盛る。その脚肉をペロンとめくると、シメジや玉子焼などカニでない具が一杯出てきた。悪く言えばカニの嵩上げだが、これで見栄えが盛り上がり、味に変化と柔らかさを加えるため、カニだけ盛られるより味わいがあった。この冬のデパートの駅弁催事でのみ販売か。
※2019年8月補訂:終売を追記秋冬の駅弁大会シーズンに向けた、2014(平成26)年秋の新商品か。長方形の容器に酢飯を敷き、マスの酢漬けと味付うにで覆い、醤油とガリを添える。そんな内容と名前はおいしそうだが、今回は押寿司になりきれない飯に、酸っぱいサーモンに、見た目も味もべたっとしていて良いところがなかった。東京や大阪での販売では人気らしい。2017年に終売か。
※2020年4月補訂:終売を追記秋冬の駅弁大会シーズンに向けた、2010(平成22)年秋の新商品か。赤いトレーを接着した長方形の容器に透明なふたをして、商品名と宣伝文とカニの写真を掲載したボール紙の枠にはめる。中身は酢飯の上に味付けズワイガニの脚肉やほぐし身を錦糸卵とともに撒いて、シイタケや生姜酢漬を添えるもの。
パッケージ記載文によると、とれたての活ガニを紋別港で浜ゆでして、冷凍なしに産地直送したそうな。しかし首都圏への遠距離輸送のためか、味はそうでもない。旭川や釧路のカニ駅弁は本来、もっとうまいはず。
しかし、商品の存在をあらかじめ知った上で4日前までに予約しないと旭川では買えない、つまり駅で普通に買えることはないのに、遠隔地のスーパーでの駅弁催事ではそういう重要な情報を知らせていない、つまるところは疑義駅弁。「顧客・法人様向け出荷」という枕詞も付いている。2012年頃までの販売か。
紋別は国鉄時代の昭和50年代、旭川から3時間半ないし4時間を要していたが、今ではクルマで2時間ないし2時間半で済むそうな。鉄道は1989年4月に廃止され、その代替バスの本数も減少傾向だが、札幌や旭川と高速バスで直結されるようになり、道中ではなく目的地として訪問するのであれば便利になった。
※2017年4月補訂:終売を追記2005(平成17)年の秋に発売。上げ底のないの長方形経木枠の容器に、上げぶたのない透明プラ製のフタをして、商品名を書いた紙枠にはめる。中身は酢飯の上を錦糸卵やアブラガニほぐし身で覆い、グリーンピースとイクラで彩り、厚焼き玉子とニシン昆布巻を添えるもの。現地で同じものを買えれば、素朴な感じだと絶賛するかも。2013年時点で現存しない模様。